...長閑さの眞中には一降り來たらばと思つた...
泉鏡花 「遺稿」
...それを無事に過ごしたあとの長閑さもまた一入(ひとしお)でわれわれの想像出来ないものがあるであろうと思いながら...
寺田寅彦 「初冬の日記から」
...何處からか飼(か)ひ鶯(うぐひす)の聲も聞えてくると言つた長閑さ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...二人はなるべく長閑さうな会話を選んで歩を速めてゐたが...
牧野信一 「繰舟で往く家」
...人と口論するためしもなく一日一日の平安無事ばかりを祝福して晩酌の長閑さに浸つてゐたかの人物でも...
牧野信一 「自烈亭」
...いつも見るからに長閑さうに...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...私はさういふ風景は抽象的に想像する場合には多少の長閑さを連想しないこともなかつたが...
牧野信一 「風流旅行」
...さながら三羽の金翅鳥(カルラ)が戯れてゐるかのやうなきらびやかな長閑さに見えた...
牧野信一 「岬の春霞」
...いつも薄手でないところの風格的なる長閑さに満々たる夢を湛えてゐるおもむきに好感を誘はれてゐた...
牧野信一 「浪曼的時評」
便利!手書き漢字入力検索