...しかあれどもかの遊女の中に多く往生(おうじょう)を遂(と)げ浦人(うらびと)の物の命を断つものゝ中にあって終(つい)にいみじき侍りし」と西行(さいぎょう)がいっているようにその女どもは今は弥陀(みだ)の国に生れていつの世にも変らぬものは人間のあさましさであることを憫笑(びんしょう)しているのであろうか...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...船を見るに慣れた浦人(うらびと)の眼をも...
中里介山 「大菩薩峠」
...この辺の浦人(うらびと)なんぞは...
中里介山 「大菩薩峠」
...浦人の塩汲(く)む袖(そで)にくらべ見よ波路隔つる夜の衣をという夫人から...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...本来はすべて浦人(うらびと)の所得だったのが...
柳田国男 「海上の道」
...「うだつたい行けと浦人の路おしえたり」とも記している...
柳田國男 「地名の研究」
...やはり肥前の松浦人と同じように...
柳田國男 「日本の伝説」
...そこへ詣(まい)る浦人たちは...
吉川英治 「私本太平記」
...きょう初めて見たようにおもいまする」「気をつけたがよい」「それはまたどういうわけで」「ただの山家女や浦人(うらびと)のむすめとは思えぬ...
吉川英治 「私本太平記」
...――海峡附近の浦人たちは「……物々しさよ」と...
吉川英治 「私本太平記」
...もすこし打明けたところを聞かせてくださらんか」せまくても石碣村(せっかそん)の浦人(うらびと)仲間では...
吉川英治 「新・水滸伝」
...……たのむ」かくれもない事なので、御厨の浦人が、何度もいって聞かせるまでもなく、小次郎もよく知っている...
吉川英治 「平の将門」
...浦人の小者かであろうと思い...
吉川英治 「平の将門」
...浦人の遺書いま、望郷の日の、憶いはとげた...
吉川英治 「平の将門」
...父の代から牧の番をしていた御厨の浦人の住居をのぞいた...
吉川英治 「平の将門」
...――それは、変り果てていたが、浦人の妻だった...
吉川英治 「平の将門」
...彼女は、涙をながして、良人の浦人が、もう世にないことを語って、「やがて、和子様が、都の空からおもどりになったら、そっと、これをお見せ申しあげろというて、あの人は、息をひきとりました...
吉川英治 「平の将門」
...浦人の魂魄(こんぱく)は...
吉川英治 「平の将門」
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