...転々と苦しんで居ります罪人も...
芥川龍之介 「地獄変」
...疎開や戦災でわたしたちが転々した後のことだ...
豊島与志雄 「牛乳と馬」
...居所も転々していた...
豊島与志雄 「波多野邸」
...性質(たち)の悪(わる)い金(かね)を借(か)り始めたのが転々(てん/\)して祟つてゐるんだと云ふ事を聞(き)いた...
夏目漱石 「それから」
...女史の幼時にも彼女の家は転々した...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...転々として居を追はれる両親に附いて...
葉山嘉樹 「氷雨」
...南の盛り場を転々と流れ歩いた...
久生十蘭 「虹の橋」
...それまでスゥイス中を転々としながら...
堀辰雄 「雉子日記」
...ある者は場所を転々とする...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...澎湃たる絶望感とに沈湎して骨にならぬ限りは拓かるべき道もないとおもつてわたしはあのやうな山径ばかりを転々としてゐるのであるが...
牧野信一 「痩身記」
...果して作者は葉子の苦痛に満ちた激情的転々の根源を突いて...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...そしてなんと度々「ザンゲ」したり「ミソギ」したり「転向」したり「転々向」したり「転々々向」したりしたことでしょう...
三好十郎 「恐怖の季節」
...この経歴の陰に以下の恐ろしい生活が転々と附きまとうて居たのであつた...
村山槐多 「悪魔の舌」
...友人知人のところを転々とするより外にはなく...
山之口貘 「私の青年時代」
...それから五六年のあいだは職を転々と変え...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...身は転々と転落して...
吉川英治 「江戸三国志」
...転々して御隠家様のお手に這入(はい)るは...
吉川英治 「江戸三国志」
...一時の、発作(ほっさ)とはおもわれますが、苦しげに、口に泡をふき、眼をつりあげ、顔色蒼白となって、転々と、もがき抜いている有様...
吉川英治 「大岡越前」
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