...彼らはなるほど会社間を転々する...
伊丹万作 「映画界手近の問題」
...同じ遊蕩児でも東家西家と花を摘んで転々する浮薄漢ではなかったようだ...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...転々(てんてん)として漂泊(さすらい)をした...
海野十三 「電気看板の神経」
...須磨と転々療養をした揚句(あげく)松山に帰省したのはその年の秋であった...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...大隅君は転々と職を変えた...
太宰治 「佳日」
...生々死々去々来々転々また転々...
種田山頭火 「旅日記」
...一の面影から他の面影へと転々と移りゆく所に...
豊島与志雄 「春の幻」
...白井は三代目種彦になつた高畠転々堂主人の伝をつくりたいと言つて...
永井荷風 「来訪者」
...女史の幼時にも彼女の家は転々した...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...私と転々苦労を共にして来ました...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...あの人との子供の骨を転々と持って歩いていたけれど...
林芙美子 「新版 放浪記」
...屋根裏部屋や建物の階段部や廊下や玄関などに転々としてとどまる...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「家長の心配」
...そしてなんと度々「ザンゲ」したり「ミソギ」したり「転向」したり「転々向」したり「転々々向」したりしたことでしょう...
三好十郎 「恐怖の季節」
...ソバカスの薬の通信販売などの職を転々とした...
山之口貘 「自伝」
...大権転々一西涼(せいりょう)(甘粛省(かんしゅくしょう)・蘭州)の地方におびただしい敗兵が流れこんだ...
吉川英治 「三国志」
...四軒は転々として養われてきたのだが...
吉川英治 「私本太平記」
...そしてややしばらく芋虫(いもむし)のように転々(てんてん)として上になり...
吉川英治 「神州天馬侠」
...ぼくの家が、転々と、どん底からどん底へ落ちて行った多年の間も、引っ越し先を尋ねては、先方から訪うてくれるような人はひとり斎藤の伯父だけだった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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