...それ故私の趣味は常に変遷転々(へんせんてんてん)として極まるを知らず...
淡島寒月 「亡び行く江戸趣味」
...人気が去ってからは他の仕事に転々して...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...その工場をおっぽり出されてからは町工場を転々として...
高見順 「いやな感じ」
...大隅君は転々と職を変えた...
太宰治 「佳日」
...さちよは転々して疲れていった...
太宰治 「火の鳥」
...性質(たち)の悪い金を借り始めたのが転々して祟(たた)っているんだと云う事を聞いた...
夏目漱石 「それから」
...蒸暑い夜を転々として考え悩んでいた...
葉山嘉樹 「生爪を剥ぐ」
...定めとてもない漂泊の旅に転々として憂世をかこち勝ちな御面師が...
牧野信一 「鬼涙村」
...これ迄(まで)転々と職業を変えて...
松本泰 「秘められたる挿話」
...果して作者は葉子の苦痛に満ちた激情的転々の根源を突いて...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...われわれの間に「自己批判」や「反省」が起きて転々々々向しなければならなくなり...
三好十郎 「恐怖の季節」
...工藝と人物雲石二州の窯を転々として歴訪した私は...
柳宗悦 「雲石紀行」
...ソバカスの薬の通信販売などの職を転々とした...
山之口貘 「自伝」
...駒込中里の先輩の家と不義理を重ねて転々としているうちに大正十二年九月一日の大地震なのであった...
山之口貘 「私の青年時代」
...転々と騒乱のうちにもてあそばれ...
吉川英治 「三国志」
...まだ書きかけであった鳴門水陣の一帖は、その後、かれが剣山で落し、甲賀世阿弥の血汐とぎらん草の汁に染まって、転々、今では周馬のふところの裡(うち)にある...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...江戸に来てから、転々、住居も定(きま)らないでいる頃、お次が使いの帰途、武家の次男坊の群に捕まって、困りぬいていたところを、又四郎が上手に裁いてやった事などがある...
吉川英治 「梅里先生行状記」
...九条村では信者の親戚や知己の家を転々して隠れていたが...
和辻哲郎 「鎖国」
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