...大抵な者は見たばかりで烟(けむ)に巻かれるさうだ...
内田魯庵 「犬物語」
...委しい事なんかあたしが何を知っているのよ」「あははは」この連中に取り巻かれるのは不愉快だとは思いながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...嬌艶な来会者たちに取巻かれるのであった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...その綱が巻かれる軸は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...あるいは淑女にとり巻かれるヴェニスの貴人のように...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その縄に巻かれると...
中里介山 「大菩薩峠」
...現今(げんこん)の吾(われ)らが苦しい実生活に取り巻かれるごとく...
夏目漱石 「思い出す事など」
...この顔に取り巻かれる事を思い出すと...
夏目漱石 「坑夫」
...たえず変っていく二種類の人びとの叫び声やののしりの言葉のすさまじいさわぎに取り巻かれるのだった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...ありあけこの堤上の桜に取っては地を固められ揺がせられ煙に巻かれるはそれは御難な事であろうから...
牧野富太郎 「植物記」
...からだを渦に巻かれるような感じで昏倒(こんとう)した...
山本周五郎 「菊千代抄」
...七両二分と証文を巻かれると聞いて...
山本周五郎 「契りきぬ」
...岸へあがれば取巻かれる...
山本周五郎 「風流太平記」
...いきなり敵に取巻かれるかもしれない...
山本周五郎 「風流太平記」
...参木はその逆巻(さかま)く棉にとり巻かれると...
横光利一 「上海」
...店の葭簀(よしず)が巻かれると...
吉川英治 「江戸三国志」
...咽(む)せるばかりな脂粉(しふん)の群蝶(ぐんちょう)も来てそれに取り巻かれる段となっては...
吉川英治 「私本太平記」
...うしろを巻かれる惧(おそ)れが生じるからである...
吉川英治 「新書太閤記」
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