...到底彼の如くに几帳面なる事能わず...
芥川龍之介 「恒藤恭氏」
...お茶は呑めないだろうからね」袋小路休憩時間が過ぎると、几帳面な検事は、早速取調べの続行を宣した...
海野十三 「地獄の使者」
...それはどんな日本座敷に通つても、きちんと坐ることをしないで、其辺(そこら)にある机や碁盤をえつちらをつちら持ち出して来て、平気でそれに腰を掛ける事で、几帳面な主人は、大抵が苦りきつて顔を顰(しか)める...
薄田泣菫 「茶話」
...几帳面な汽車の時間表は...
薄田泣菫 「茶話」
...この小さな几帳面な七十婆さんは...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...そこの醫官の小川正子女史とは文通を續けて其几帳面な性質...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...真面目で几帳面なんです...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「三枚の学生」
...しかもすこぶる几帳面なものであった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...粗末な紙に几帳面な細字が竝んでいた...
豊島与志雄 「化生のもの」
...あの娘はまことに物事に几帳面な性(たち)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...しかし作者(わたし)は万事につけて几帳面なことが非常に好きで...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...顧客の故モートン氏は几帳面なたちであったから...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...神経質なほど几帳面な性格だった...
牧逸馬 「生きている戦死者」
...几帳面なテイラアである...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...ボルドー本の書き入れを見るとなかなか几帳面な行儀のよい字であって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...筆蹟は古風の几帳面なもので...
山本笑月 「明治世相百話」
...余程几帳面な人間の手で蔵(しま)い込んであったものらしく...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...日記とかメモとか几帳面な習慣のまったくない自分には多少の錯誤はないとは云いきれない...
吉川英治 「年譜」
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