...シカモその志が決して区々日本の学界や文壇の小蝸殻(しょうかかく)に跼蹐(きょくせき)しなかったのが証される...
内田魯庵 「鴎外博士の追憶」
...硯友社という小さい天地にばかり跼蹐(きょくせき)しないで...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...感情の跼蹐(きょくせき)があった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...何の跼蹐ぞ! あるものはただ自由な天と地であり胸を張って大地に立つ蒼穹(あおぞら)への呼吸であり...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...始めから十七字の繩張(なわば)りの中に跼蹐(きょくせき)してもがいている人とでは比較にならない修辞上の幅員の差を示すであろう...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...たかがスポーツの問題などに跼蹐(きょくせき)してはいられない...
戸坂潤 「社会時評」
...文学を益々跼蹐させ...
豊島与志雄 「文学の曇天」
...路頭に跼蹐(きょくせき)している...
夏目漱石 「虞美人草」
...その様式化された技術の束縛の範囲内だけに跼蹐してゐることは忍べなかつた...
野上豊一郎 「演出」
...京都の小天地にのみ跼蹐して滿足し得た時代は既に過ぎ去つたのである...
原勝郎 「鎌倉時代の布教と當時の交通」
...更に跼蹐して二三の號舍を仔細に窺へば...
原勝郎 「貢院の春」
...土龍(もぐら)のように跼蹐(きょくせき)している...
火野葦平 「花と龍」
...あるいはこの不自由なる小天地に長く跼蹐(きょくせき)せる反響として...
福田英子 「妾の半生涯」
...宗藩の祖である政宗(まさむね)公がまだ跼蹐(きょくせき)した頃...
本庄陸男 「石狩川」
...そんな処に跼蹐(かが)んでいらっしったら...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...また必ずしも仏法の軌範の内に跼蹐(きょくせき)していなかった...
柳田国男 「山の人生」
...跼蹐(かがま)りこんでおったわしたちに...
吉川英治 「親鸞」
...跼蹐(きよくせき)して...
吉川英治 「平の将門」
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