...名高い奈良東大寺正倉院の蘭奢待(らんじやたい)と同じ香木なのである...
薄田泣菫 「茶話」
...蘭奢待といへば、むかし西蕃(さいばん)から渡来した黄熟香(くわうじゆくかう)を、時の帝(みかど)聖武(しやうむ)が蘭奢待の三字に寺の名を入れて、その儘東大寺の宝蔵に納められた稀代の沈香(ぢんかう)で、正倉院の目録によると、重量二貫五百目、長さ五尺二寸、本口周(もとくちまは)り三尺九寸、本口直径(さしわたし)一尺四寸、末口(すゑくち)周り一尺五寸、末口直径(さしわたし)七寸、といふ事だ...
薄田泣菫 「茶話」
...第一は蘭奢待(らんじゃたい)...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...「言ったところで何うもなるものではない、来年の念願だが、若し天下第一の名香『東大寺』を聞くことが出来たら、私の邪念が霽(は)れるかも知れない」「え、え?」「東大寺と言うのは、下々では手に入れる由も無い、蘭奢待の名香だ、――若しそれを手に入れて、思いおく事なく焚くことが出来たら、鼻観邪道に踏み入った私も、迷いの雲を払い落して、元の丈太郎に還ることもあろう」思い入った丈太郎の言葉を、暫らく黙って聴いて来たお園、この時男の身体を離れて、膝を直しました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...蘭奢待をば秘蔵で御座います」「えッ」「織田信長公が東大寺の蘭奢待を一寸八分に切らせて頂いたのを...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...蘭奢待を盗んだ美しい曲者「これ...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...蘭奢待の名香がありません...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...蘭奢待の名香を盗んで...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...蘭奢待の名香に手を掛けるには仔細があろう...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...十襲の蘭奢待に手をつけたものでしょう...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...到頭命を賭けて狙った蘭奢待の名香を手に入れることが出来たのです...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...命と貞操とを賭けて手に入れた蘭奢待の名香...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...蘭奢待だ」見ると自分の膝の上に居るのは...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...この蘭奢待を持って参り度いばかりに――」美しい眦(まなじり)に籠むる...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...名香蘭奢待は尽きてしまいました...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...蘭奢待(らんじゃたい)の芳香(かおり)...
夢野久作 「名娼満月」
...蘭奢待(らんじゃたい)...
吉川英治 「新書太閤記」
...蘭奢待(らんじゃたい)を賜わるべく...
吉川英治 「新書太閤記」
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