...蒸し暑い夜の空気を破って...
芥川龍之介 「偸盗」
...薫蒸しようとするのだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...こんな蒸し暑い日には...
スティーヴンスン 佐藤緑葉訳 「帽子箱の話」
...大きな籠の中からとり出すのはつるのこはれた鐵瓶や錆の出たブリキ製の御飯蒸しかうやくを澤山張つた埃だらけな硝子のかけらもう日が暮れるのに家中明け放しの中でどう仕末がつくことと思はれる冷たいがらくたを一手に引受けて一々選り分け仕末する...
千家元麿 「自分は見た」
...―――」「ああ蒸し暑い...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...蒸し暑いと見えて広くはげ上がった額から玉のような汗の流れるのをハンケチで押しぬぐい押しぬぐい話をした...
寺田寅彦 「B教授の死」
...処がこの計画は今日に至るまで蒸し返されつつも遂に実現を見ずに終っている...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...以前したことのある話の蒸し返ししか出來ない...
中島敦 「狐憑」
...「蒸しますな……海端も...
久生十蘭 「あなたも私も」
...ワンタンめんと蒸しずしを食ひ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...それは蒸し暑い夕方で...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...巣鴨の蒸し釜のような女舎のせまい板じきにおかれた...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...鰺の蓼蒸しと申すのは大きい鰺を三枚に卸して蒸籠(せいろう)で蒸して細かく切った蓼を上へかけてまた少し蒸してそれへ白ソースをかけます...
村井弦斎 「食道楽」
...お米からでなく御飯から拵えるにしても丁寧(ていねい)にすると大匙二杯の御飯を一合の牛乳で一時間余火を弱くして煮ておいてそこへ玉子の黄身四つと砂糖二杯を混ぜてレモンかワニラの香料を加えて今のように蒸します...
村井弦斎 「食道楽」
...少し蒸し蒸しするような晩である...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...大豆の粃などを合せ蒸して糠味噌を作るといふ...
柳田國男 「食料名彙」
...昏れかかると共にひどく蒸しはじめた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...竹竿の先に鶏(とり)の蒸したのを苞(つと)にくるみ...
吉川英治 「三国志」
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