...革命軍の鋭鋒、当るべからざるを聞ける宗盛は、是に於て、舞楽の名手、五月人形の大将軍右近衛中将平維盛を主将とせる、有力なる征北軍を組織し、白旄黄鉞、粛々として、怒濤の如く来り迫る革命軍を、討たしめたり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...然れ共従兵既に悉く死し僅に慓悍、不敵の四郎兼平一騎を残す、兼平彼を見て愁然として云つて曰「心静に御生害候へ、兼平防矢仕りてやがて御供申すべし」と、是に於て、彼は、単騎鞭声粛々、馬首粟津の松原を指し、従容として自刃の地を求めたり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...粛々と群聚はすゝむ初詣(はつもうで)清浄(しょうじょう)の空や一羽の寒鴉(かんがらす)一月二日 武蔵野探勝会...
高浜虚子 「五百五十句」
...霊廟の方から見下(みおろ)すとその間に釣燈籠を下げた漆塗の柱の数(かず)がいかにも粛々(しゅくしゅく)として整列している...
永井荷風 「霊廟」
...新撰組の一行が粛々として三条大橋を西に向って渡り去った...
中里介山 「大菩薩峠」
...粛々として木津屋橋さして練って行くと...
中里介山 「大菩薩峠」
...戦地に向う野戦砲兵の一隊が粛々と進んで来るのを見て足を留めた...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...カルメンは粛々、堂々と、笑顔も見せず歩き、美貌を陽光に晒すも、心の中では怒りと感情の嵐が爆発寸前だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...召使い達の仕事は各自の業務を粛々とこなすことだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...T「私と云う男は何処までいじめられるんだ!」夜は更けて風粛々...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...粛々(しゅくしゅく)と城内へとおった...
吉川英治 「三国志」
...二絢爛たる軍容粛々とあたりを払って...
吉川英治 「三国志」
...敵の糧倉本部たる北山のふもとへ粛々と迫って...
吉川英治 「三国志」
...けれど二階堂のやしきから貝の音にしたがって歩武堂々と町なかも意識して粛々(しゅくしゅく)とながれて来た...
吉川英治 「私本太平記」
...貝の音につれて、燦々(さんさん)、粛々、秀吉につづく隊列は流れ出した...
吉川英治 「新書太閤記」
...先鋒は、粛々と、播州加須屋へ入っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...子の刻といえば、正に真夜半、篝(かがり)も暗く、山中の軍営は、粛々、松の葉か、露のふる音ばかりだった...
吉川英治 「新書太閤記」
...いかがわしい女に壮士の装(なり)をさせて鞭声粛々(べんせいしゅくしゅく)を吟じさせたりして...
吉川英治 「松のや露八」
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