...彼女は矢先を変えて、新しいプロジェクトに着手した...
...矢先に挟まったかけらが痛かった...
...矢先が尖っているナイフは危険だ...
...矢先をついた発言で彼を怒らせてしまった...
...彼は矢先の狙いが定かで、命中精度が高かった...
...家の中に高い笑い声もしばしば起るようになった矢先...
太宰治 「おさん」
...これからかかろうという矢先にそんな悪い病気に取(と)っつかれては……」と老妻(かみさん)はしみじみと同情した...
田山花袋 「田舎教師」
...こんな実験をやっている矢先に都下の有力な新聞で旬刊が発行されるようになった...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...此疑問の解答を求めようとする心は日に増し激しくなつた其の矢先...
永井荷風 「来訪者」
...いよいよ今晩こそと、思い込んだ矢先、お前さんは大急ぎで二階から下りて、植田のお陣屋の方へ行きましたね、占めたとわしはあの時から、お前さんのあとをつき通しで、ここまで来たのですよ」ああ、どこまで執念深(しゅうねんぶか)い男であろうとお豊は身慄(みぶる)いを止めることができません...
中里介山 「大菩薩峠」
...神尾一派の者と小森の矢先とを眺めました...
中里介山 「大菩薩峠」
...少々前からの実験に手を焼いていた矢先でもあり...
中谷宇吉郎 「線香花火」
...今は忘るるをのみ心易しと念じたる矢先に...
夏目漱石 「薤露行」
...石に噛(か)みついてもと思う矢先に道也(どうや)の演説を聞いて床についた...
夏目漱石 「野分」
...手討にされたお園の事が気になって居る矢先き...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...飛び出さうとしてゐる矢先だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...どんな精巧な仕掛がしてあることかと期待していた矢先に...
平林初之輔 「人造人間」
...われながら呆れ返つてゐた矢先だつたので...
堀辰雄 「巣立ち」
...その矢先き、あの記事にある、柴田環を待合につれ出したのは三浦政太郎ではなく、藤井善一だ、と名乗ってみなさい...
三浦環 「お蝶夫人」
...「今日はあの女学生が乗らなかったな」と思っている矢先へ手紙が届く...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...平河口(ひらかわぐち)へ送られようとする矢先でした...
吉川英治 「江戸三国志」
...「あの矢先に立ってはたまるまい……」人々がかたずをのんでみつめるまに...
吉川英治 「神州天馬侠」
...そう思ってた矢先なんです...
レスコーフ Nikolai Semyonovich Leskov 神西清訳 「真珠の首飾り」
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