...あらゆる防護の手段が着々として用意されていった...
海野十三 「空襲警報」
...着々とその奇怪な実験の順序を追っていったことだった...
海野十三 「振動魔」
...思うに少なくとも独自な社会政策的提案の実行に於て着々としてイニシャティヴをとることである...
戸坂潤 「社大党はファッショ化したか?」
...日本の古来の国民生活の史的唯物論的研究は着々として進められてはいるが...
戸坂潤 「唯物論とファッシズム」
...実際に着々と実現していくのが...
中谷宇吉郎 「コロラド通信」
...この騒ぎのうちに、妾のお江野は倅(せがれ)京之助をつれ出して夜逃げをし、一応神津右京を仰天させましたが、京之助は決して神津右京の本当の子ではなく、お江野は妹のお鳥と相談して二千両の御用金を隠し、右京を窮地(きゅうち)に陥(おとしい)れた上、吉弥を亡きものにして、京之助に家督を継がせる魂胆(こんたん)をめぐらし、着々それを、実行していた事を平次に証明されて、今さら驚き呆(あき)れるばかりでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...着々それを實行してゐた事を平次に證明されて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「日若座(ひわかざ)」の再建は、着々とすすんで、普請場(ふしんば)は活気を呈している...
火野葦平 「花と龍」
...後年の法制改善も着々その歩を進めて行くことが出来たのである...
穂積陳重 「法窓夜話」
...変な悪達者もなく日常経験の様々な事象を美しく書きこなす才能は充分に持ち合せて着々と大成してゆく作家ではあらう...
牧野信一 「浪曼的月評」
...実に望ましいスピードでないにしろ着々(或は遅々とながら)すすめられている以上...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...申すまでもなく小生は酒さえ飲まねば、これ程までに判断力を喪(うしな)う者ではありませぬが、コンドルは小生のこの弱点をよく見抜いておりまして、いつも小生に酒と女を与えて良心を晦(くら)ましつつ、一方に小生が犯罪遂行の計画(プラン)に巧みな事と、比較的金銭に淡泊なため、仲間の人望が集まり易いのを利用して、着々、J・I・Cの勢力を張り、小生を表面的の傀儡団長とし、自分自身を実際の団長とする基礎を築き上げて行きました...
夢野久作 「暗黒公使」
...日本の着々として進歩する波動を身に感じて喜ぶことがあるだけだった...
横光利一 「上海」
...こうして機密な計(はかり)を“皇后ノ喪(も)”の期間にも着々すすめ...
吉川英治 「私本太平記」
...それに彼が吉野へ来てから着々とすすめていた南党再起の布石(ふせき)もととのい...
吉川英治 「私本太平記」
...作戦着々取りすすめておる次第でござる」「ムムム」弾正は...
吉川英治 「新書太閤記」
...着々と国内態勢をととのえ...
吉川英治 「新書太閤記」
...だから彼はヤジローに逢って以来着々として日本行の準備を整えたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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