...男性的な顔を見やる葉子の...
有島武郎 「或る女」
...Mが行つて少したつと四十五六の男性的な粗野なものごしをした赤ら顔の...
伊藤野枝 「監獄挿話 面会人控所」
...然らざれば、また、世の俗習家がジンギス汗等に向つて、渠等の公明正大な、男性的な、東洋的な、本能上の行動を、自分の俗習見に照らして、けち臭く解釋してゐるのだ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その男性的な筋肉に見入っている時...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...眉の濃い口元のしまった男性的な顔付である...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...やや四角張った男性的な額を巧に隠してる房々とした髪...
豊島与志雄 「反抗」
...それは単に男性的な力というのでは言い尽せない...
豊島与志雄 「文学以前」
...芸術くらゐ論理的な謂はゞ男性的な性格と環境とを必要とするものはないやうに思はれる...
中原中也 「詩と現代」
...男性的な気概に充ち...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...実にこの男性的な...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...叙事詩は男性的なものであるから...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...此世界では斯る男性的な...
羽志主水 「監獄部屋」
...男性的な強い性格で...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...くっきりとした男性的な顔は...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「は、はい……」娘は小鳩のようなおののきを見せて、顔の紫ちりめんを解く、そして、むき出された文金(ぶんきん)の高髷(たかまげ)と白い指を、惜し気もなく地につかえて、「今、あの木立(こだち)の暗がりで、盗賊に刃物(はもの)をつきつけられ、恐ろしい目にあおうとしていたものでございますから、それで思わず不作法な……ど、どうぞ、お助けなされて下さいまし」それまで、ひッそりと、ゆかしい薫(かおり)と気配をこめていた女駕の中で、「なに、盗賊だと?」生々(いきいき)した、しかも男性的な、若者の声が、「面白い!」と、ひびきました...
吉川英治 「江戸三国志」
...歩調が激しくなるにつれて彼女の影も男性的な活溌の度を増して見える...
吉川英治 「江戸三国志」
...大きな男性的な唇を声なくうごかしていたが...
吉川英治 「篝火の女」
...皇系にはまれな男性的な御風貌であった...
吉川英治 「私本太平記」
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