...その大略を申さば...
井上円了 「おばけの正体」
...小生の我儘(わがまま)を申さば一応小生に御打合せ被下まじくや...
高浜虚子 「子規居士と余」
...申さば諦めがよい...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...私(わし)なぞは申さば柳亭翁とは一身同体...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...「頂戴をいたしまする」有難くお茶を飲んで控えていると、「よくここがお分りになりましたね」「はい、名古屋へ参ってお尋ねをいたしましたところ、当節はこちらだということで、直ぐさまお伺い致した次第でございます」「名古屋へは何ぞ御用でおいでになりましたか」「はい……実は申し上げ兼ねるのでござるが、申し上げないとかえってお疑いをあそばすかも知れません、私事はこのたび岡崎を立退いてまいりました」「まあ、お家を立退いておいでになりましたとは、それはどういうわけでございますか」「その仔細はお話し申し上げると長うございますが、一口に申さば、人を討ち果したためでございまする」「まあ、あなたは伊津丸の口からもききましたが、お家が剣術のお家である上に、柳生殿の道場でも指折りの望みをかけられていたそうでございますが、その技(わざ)のために、間違いをお起しになりましたか」「はい、好んで術を弄(もてあそ)ぶつもりはございませぬが、いつものっぴきならぬ義理にせめられて、ついつい鞘(さや)を割らねばならぬようになって行きます」「なんにしても、よくよくの御事情とお察し申します、そういうわけでしたならば、こちらは閑静でよろしうございますから、ゆっくり御逗留(ごとうりゅう)なさいませ」「はい、お言葉に甘えましてしばらくかくまっていただきたいと、それ故こうして不意に参上いたしました」「よくおいでになりました、いずれくわしいことはのちほどお伺いいたしましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...という内容]此頃のわが戀力記し集め功に申さば五位の冠「功」「五位」皆漢語なり...
正岡子規 「萬葉集卷十六」
...茶儀は無用の虚礼なりと申さば...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...茶儀は無用の虚礼なりと申さば...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...「おん宿を申さばやと...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...申さば断末魔の老先生が御門弟の謡の間違いを聞きわけられる...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...申さば同窓の同輩とも申すべき間柄だったので御座います...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...嫌と申さば――てな事で...
吉川英治 「脚」
...……大和心(やまとごころ)と申さばややそれに似かよう気もする...
吉川英治 「上杉謙信」
...申さば“放ち囚人(めしゅうど)”というかたちでの...
吉川英治 「私本太平記」
...申さばそなたはまだ処女(おとめ)の肌のままよ...
吉川英治 「私本太平記」
...「……申さば、あどけない御子(みこ)やら皇女がたで、罪も知らず、みな別れ別れ、他家に預けられておいでなのです...
吉川英治 「私本太平記」
...「おお、ついうかと、つまらぬ話にお出ましの間際を邪(さまた)げ、思わず失礼を――」と、褥(しとね)を退(の)け、そしてなお起ちもやらずに、「申さば、世間の毀誉褒貶(きよほうへん)、これはたれにも、避けられぬこと、また歯牙(しが)にかけるにも足らぬことにございましょうが、最前も仰せのごとく、衆口金を鎔(とろ)かすのたとえもある...
吉川英治 「新書太閤記」
...「敵の日向守(ひゅうがのかみ)光秀は、お許にとっては親のかたきたり、また主(しゅ)の仇(あだ)たり、申さば、二重の敵である...
吉川英治 「新書太閤記」
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