...狒や大蛇も一撃のもとにあへない最期を遂げる外はない...
芥川龍之介 「僻見」
...若い女と一疋(ぴき)の大狒々(おおひひ)とがふざけ散らしながら...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...「狒々の毛皮なんか被らないで...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...さかんなること狒狒(ひひ)のごとく...
太宰治 「もの思う葦」
...町長のサムソノフという狒々爺(ひひおやじ)の小商人に囲われていた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...あの親子して狒々(ひひ)のように大奥を荒し廻るのが怖ろしいと...
中里介山 「大菩薩峠」
...その猛烈さ加減は確かに岩見重太郎の狒々(ひひ)退治以上の活劇であったが...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...狒々(ひゝ)のやうな五十男の玩具になつてゐることに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...浅草花屋敷の狒々(ひひ)及び獺(かわうそ)一...
正岡子規 「病牀六尺」
...越前の敦賀郡愛癸村字刀根の気比(けひ)神社は浪花節の勇士岩見重太郎が狒々(ひひ)を平らげし処という...
南方熊楠 「十二支考」
...狒々(ひひ)隠居は彼女のうしろから抱きついて...
吉川英治 「江戸三国志」
...かえって狒々(ひひ)の獣情に油をそそぎかけたようです...
吉川英治 「江戸三国志」
...盲目的になって寄って来る狒々(ひひ)隠居を...
吉川英治 「江戸三国志」
...柳田のお狒々(ひひ)さんに...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...きょうから競馬の方だろうと言うので」「お狒々(ひひ)さんも察しがいいわネ...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...箒よりはまだ狒々の方がましであろ」「どうしてです」「人間に似ている」「人間に」「人間以上だ」「どこが」「全身毛深うて」「おおいやらしい」「そして女に眼がない...
吉川英治 「私本太平記」
...神変杉狒々退治(しんぺんすぎひひたいじ)の段とかいうように...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...僕らが幼少に見た演劇も、前述の花筏の段で演じていたことを覚えている、俗に大阪本といって貸本屋にかつがれていた岩見重太郎、丸目蔵人(くらんど)、塚原卜伝などの武勇伝物というのも、筋はみな大同小異、娘を助ける、狒々が出る、敵を討つ、御前試合をやる...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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