...それまでの、てめえのヨシコのさきを、てめえの指でつまんで、あらぬ方を睨んでいるなんてのは、心理的にただいやなだけで、このブウジイの肉体的苦痛に比べれば、物の数ではない...
高見順 「いやな感じ」
...拳闘や野球に比較したら物の数ではない...
戸坂潤 「社会時評」
...物の数ではないんだよ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...鷹匠は物の数ではない...
直木三十五 「南国太平記」
...間違って人一匹殺(あや)めたことぐらいは物の数ではないのだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...もとより物の数ではないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...この世の歓楽などは物の数ではないとのこと...
中里介山 「大菩薩峠」
...それらに比べては物の数ではないと証明なさるのですね」「左様さ...
中里介山 「大菩薩峠」
...物の数ではないのかも知れぬが...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...てんで物の数ではない...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...私の採集旅行の足跡に比べたら物の数ではないと思う...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...自分の故郷へ帰りたい心に比べれば物の数ではないと思い...
横光利一 「旅愁」
...一身の病(やまい)ぐらいどうなろうと物の数ではない――と...
吉川英治 「新書太閤記」
...また、その克己(こっき)と、戦いの艱苦(かんく)とをくらべれば、戦火のごときも、物の数ではない...
吉川英治 「新書太閤記」
...物の数ではない」と...
吉川英治 「新・水滸伝」
...物の数ではない少年ではないか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...老婆の息子らしい勇猛そうなその男のほかに、いざとなれば、まだ二、三名の敵は飛び出すかも知れないが、彼さえ取ッちめれば、物の数ではない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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