...一體、無責任に、面白半分に芝居見物をして樂しむ人々が眞の意味に於て果して樂しいのであらうか...
會津八一 「趣味の向上」
...政府當局者の無責任にあらずや云々」この時...
石川三四郎 「浪」
...案外にも別なことでかの女から無責任になることができた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...世間の賃訳(ちんやく)をするもののような無責任にはなれないのが二葉亭の性分であった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...あの忠実な頑固婆さんのお豊が、どうした訳か、無責任にも、コクリコクリと居眠りを始めたのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...だから無責任になる」正造が鍔をならして刀を鞘におさめたのをしおに...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...無責任に大げさな...
太宰治 「諸君の位置」
...僕が無責任に、お前を、芸術の雰囲気(ふんいき)なんかに巻き込んでしまったのがいけなかったんだ...
太宰治 「正義と微笑」
...おしまいにはそんな事を考えている自分がばからしくなって来たので、いいかげんに、無責任に、だらしなく刈り始めた...
寺田寅彦 「芝刈り」
...其論往々無責任にして放縦に属するものあり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...遠くの三味を無責任に聞くのははなはだ嬉しい...
夏目漱石 「草枕」
...兄についても嫂についても不謹慎な言葉を無責任に放つ勇気は全くなかったので...
夏目漱石 「行人」
...彼は妻のことでは一日でも無責任にはなれなかつた...
牧野信一 「茜蜻蛉」
...破滅を期待するほど妻や子に対し無責任にはなれなかつた...
牧野信一 「裸虫抄」
...――事実、ひるまえ海辺で、かれの視線がおもたく、無責任に、じっと、あのしたわしい者のうえにすえられるとき、日の沈むころ、いとわしい死のこっそりとさまよう街路を通って、かれがあさましくもあのしたわしい者のあとをつけてゆくとき、かれには、奇怪なことが有望に、道徳のおきてがもろいものに思われるのであった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...無責任にいい氣な役者は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...ただ無責任に抱く興味という点から言っても...
三好十郎 「恐怖の季節」
...ただ冷ややかに(たとえ感傷的であったとしても)ただ無責任に(たとえ金と約束とにおいて責任を負ったとしても)すべてを味わって通ろうとした...
和辻哲郎 「転向」
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