...建札のある堤(つつみ)の下に漫々と湛えた夜明け前の水が...
芥川龍之介 「竜」
...漫々(まん/\)たる大(おほ)きな川(かは)の――それは庄川(しやうかは)であらうと思(おも)ふ――橋(はし)で...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...黒い水が漫々として大湖のごとくである...
伊藤左千夫 「水害雑録」
...波漫々(まん/\)たるわだつみの音(おと)しづまりて...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...私の腰を三人ほどの子が押してくれるけれども私はそんなに早く歩くことが出来ないので、子供たちから漫々的、漫々的、めんめんちょとからかわれるのであった...
上村松園 「余齢初旅」
...麓(ふもと)には水漫々の月湖ひろがり...
太宰治 「竹青」
...家の前の大地はまるで小川か沼のように漫々と水を湛(たた)えてしまった...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...かなりな幅の川浪(かわなみ)が漫々と湛(たた)えていた...
徳田秋声 「仮装人物」
...庭中に漫々とたたえた水のなかの岩組みに水晶簾(すだれ)の滝がかかっていて...
徳田秋声 「仮装人物」
...上潮の時は青い水が漫々と差して来た...
徳田秋声 「縮図」
...その赤濁りの漫々たる大河が...
豊島与志雄 「楊先生」
...こうして改めて見渡す限りの漫々たる湖が血であることをしかと認め...
中里介山 「大菩薩峠」
...漫々たる血の池は...
中里介山 「大菩薩峠」
...この江戸(えど)川の流れはどこからこんなに水をたたえて漫々(まんまん)と流れているのだろうと思うのだ...
林芙美子 「河沙魚」
...老いたるも若きも珍型異装を誇り顔に漫々然々(ぶらりぶらり)と練り歩く様子...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...或いは漫々(まんまん)たる大海によって取り囲まれたる島国である故に...
柳田国男 「海上の道」
...漫々たりイ……じゃないか...
夢野久作 「爆弾太平記」
...淀川がひどく漫々としているように見える...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
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