...漫々として波の静(しずか)な蒼海(そうかい)に...
泉鏡花 「絵本の春」
...こゝは漫々たる蒼波...
大町桂月 「月の東京灣」
...麓(ふもと)には水漫々の月湖ひろがり...
太宰治 「竹青」
...相変らず肌寒い水を漫々(まんまん)と湛(たた)えて...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...家の前の大地はまるで小川か沼のように漫々と水を湛(たた)えてしまった...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
... 95進む行方に漫々の潮は分る右左...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...庭中に漫々とたたえた水のなかの岩組みに水晶簾(すだれ)の滝がかかっていて...
徳田秋声 「仮装人物」
...これだけの城を前にしてはもっと漫々たる水が欲しいなあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...その行燈の消えた隙間から一面に白い水――みるみる漫々とひろがって...
中里介山 「大菩薩峠」
...やがて漫々とまたもとの静かさに返ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの漫々(まんまん)たる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...南は野山漫々(まん/\)として百餘里に及び...
長谷川時雨 「尼たちへの消息」
...下総の印旛の沼に添ふ駅へ汽車の入る時散る桜かなうしろに漫々たる印旛沼を控へ白い雲の様に見える満開の桜が...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...朝の大きな太陽を漫々と溶した...
本庄陸男 「石狩川」
...尊余臘酒緑漫々...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...涯(はて)しもなく漫々たる黒土原と...
夢野久作 「戦場」
...漫々たりイ……じゃないか...
夢野久作 「爆弾太平記」
...淀川がひどく漫々としているように見える...
和辻哲郎 「巨椋池の蓮」
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