...溝鼠(どぶねずみ)が這上(はいあが)ったように...
泉鏡花 「貝の穴に河童の居る事」
...指の間に残ってる捏粉(ねりこ)を包丁で取ってる母親――前日河に泳いでるところを見かけた溝鼠(どぶねずみ)――柳の枝でこしらえたいと思っていた鞭(むち)……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...私は又溝鼠のように塩たれて部屋へ帰った...
林芙美子 「放浪記(初出)」
......
樋口一葉 「別れ霜」
...(この溝鼠(サロオ)!)とどなったんだ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...おそらくこの港ちかくの溝にでも住んで居るらしい一隊の溝鼠共が俵からこぼれる麦の粒を拾ふために先を争つてこの船へ乗り込まうとしてゐるではありませんか...
牧野信一 「船の中の鼠」
...「斯様な溝鼠を余等が面前へ引き出すとは何事だ...
牧野信一 「船の中の鼠」
...溝鼠などは汚らはしい...
牧野信一 「船の中の鼠」
...その間に樽の傍らに棄てられた二匹の溝鼠は...
牧野信一 「船の中の鼠」
...到底痩せ細つた溝鼠の野武士軍の敵ではありません...
牧野信一 「船の中の鼠」
...さすがに溝鼠とはいへ司令官だけあつて悠々として甲板上の合戦を見渡したのでありますが...
牧野信一 「船の中の鼠」
...「あのやうな賤しい溝鼠共を敵にするのも汚らはしいが...
牧野信一 「船の中の鼠」
...溝鼠軍の屯ろしてゐる桟橋は...
牧野信一 「船の中の鼠」
...」「もともと相手は賤しい溝鼠なのだから無理もないが...
牧野信一 「船の中の鼠」
...あの鐘の音は!」貴族軍も溝鼠軍も突然の鐘の音を耳にすると同時に...
牧野信一 「船の中の鼠」
...たゞの溝鼠となつて...
牧野信一 「船の中の鼠」
...みんな溝鼠でありましたから元の敵味方の区別もなくなつて...
牧野信一 「船の中の鼠」
...ちょうどアノ日の目を恐れて流し先を潜りまわる溝鼠(すいどうねずみ)のような息苦しい一生を送る憐れさ...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??