...大淀の水の流に泛んだをりのことだつた...
薄田泣菫 「独楽園」
...中込礼子の美しいおもざしを思い泛べながら...
橘外男 「仁王門」
...明くる曙光ともろともに二列漕座のよき船を海に泛べて去るべしと...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...油気のない文章の中に泛(うか)びあがる人間は生気も熱情もなかった...
徳永直 「冬枯れ」
...加ふるに浮泛なる歐化政略は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...新月海上に泛びたる高輪の夜景...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...……そんな微笑を泛べながらでも讀んでくれるのが一番僕にとつちやあ有難いんだがなあ……」私も思はずそれに應ずるやうな微笑をし出しながら...
堀辰雄 「生者と死者」
...水上たゆたと泛(うか)びたる女の生首...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...固より天性発明なる人(genius アル人)即ち天稟の聖人ならば山野に遊び江湖に泛びて高尚深遠の哲学を発明する所多かるべけれど...
正岡子規 「読書弁」
...仏経に声聞(しょうもん)を兎川を渡る時身全く水に泛(うか)ぶに比し...
南方熊楠 「十二支考」
...」涙を泛べてまだ咳きつづけている千鶴子の耳の縁に...
横光利一 「旅愁」
...見覚えのある活気を漸次鮮明に泛べて来た...
横光利一 「旅愁」
...雑事がちらっとでも頭に泛ぼうものなら...
横光利一 「旅愁」
...泛んで来るなやましい姿態の数数の閃めき...
横光利一 「旅愁」
...二つの舫は明浄な水に泛んで静かに私達を河の中洲(なかす)に送つた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...将軍劉得權君夫妻泛船嫩江...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...こんな句がたった一つ頭に泛(うか)んだのみである...
吉川英治 「随筆 新平家」
...泛(うか)んでくる...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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