...ありありと当惑の色が泛(うか)んできた...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...未亡人の唇に泛(うか)んだ...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...僕は言ってやることがあるんだ! 僕に何の恨みがあってこういう変な目にばかり逢わせるのだか!」「…………」私にはその時の呆気にとられたとも当惑したともなんともかとも言いようのない錯雑した表情を泛(うか)べたまま...
橘外男 「逗子物語」
...その王女も相当に美人かも知れんな」とあの時ムキになって私に王女の美しさを力説したカ氏の顔を可笑(おか)しく思い泛(うか)べながら...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...黙って太子がにこやかに靨(えくぼ)を泛(うか)べられた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...新月海上に泛びたる高輪の夜景...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...渺茫(びょうぼう)たる大河の上に泛(うか)んでいる...
永井荷風 「放水路」
...袁もまた涙を泛(うか)べ...
中島敦 「山月記」
...さては「馬のす」の釣竿しらべている主のたたずまいに軒低く天井暗かりし震災以前の東京の町家の気配をさながらに目に泛(うか)べられる人...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...青い剃りあとに酒乱の痕跡の泛び出た美男になる...
横光利一 「夜の靴」
...死の海に泛んだ生の美の象徴ではなかったか...
横光利一 「夜の靴」
...唇にかすかに皮肉な影を泛べると...
横光利一 「旅愁」
...赤く濡れた唇が嘲笑を泛べて久慈に反抗するのだった...
横光利一 「旅愁」
...頭に泛んだことも頼み込みかねない自分を知り...
横光利一 「旅愁」
...軽い一種の失望を泛べた表情でにやにやしながら黙っていた...
横光利一 「旅愁」
...徐徐に遅い微笑が泛んで来た...
横光利一 「旅愁」
...濁水(だくすい)の湖心に一舟(いっしゅう)を泛(うか)べ...
吉川英治 「新書太閤記」
...ありありと眼に思い泛(うか)べていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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