...木函らしい物が一つ波の長濤(うねり)に乗って泛(うか)んでいるのであった...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...老人の頬には微笑が泛み上った...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...帝郷遠し影白く泛べば慕ふ友や誰れ...
土井晩翠 「天地有情」
...籾の殼水に泛きしを...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...私は腰を泛(う)かしそっと息を殺して其の女の姿が視野に這入る様二尺許り位置をずらせました...
西尾正 「陳情書」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...然(しか)るに安済丸は海に泛(うか)んで間もなく...
森鴎外 「渋江抽斎」
...私はパリを思い泛べ...
横光利一 「北京と巴里(覚書)」
...死の海に泛んだ生の美の象徴ではなかったか...
横光利一 「夜の靴」
...片頬の靨に快心の微笑を泛べて頷いた...
横光利一 「旅愁」
...石の古い空虚な街がかすかな傾きを明瞭に泛べている真上に...
横光利一 「旅愁」
...彼は氷河の厚い量層を眼に泛べるのだった...
横光利一 「旅愁」
...懐中に潜めたまままだ封も切らぬ手紙のこともちらりと頭に泛べたりした...
横光利一 「旅愁」
...それにつれ千鶴子の体を眼に泛べて抑える習慣もついて来ていたのである...
横光利一 「旅愁」
...沈まんとして暫くは血を流し広き蒙古の沙に坐る日日は遠く朱の魚として泳ぐなり蒙古の沙の海に似る末嫩江の劉荘に、督軍呉俊陞夫人李氏其他と会して、船を泛ぶ...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...心の底に泛(う)かんでくる...
吉川英治 「大岡越前」
...引ッ掴んで表へ抓(つま)み出してしまえ」と大円房は憎態(にくてい)な嘲笑を泛かべながら下知した...
吉川英治 「剣難女難」
...もうさり気ない微笑みを泛(うか)べて武蔵へいった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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