...気の毒そうな色がありありと泛んでいるのであった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...強い拵(こしら)えたらしい硬張り切った嫣笑(えんしょう)が泛(うか)んだ...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...耳を傾けるともなくこちらの方へ靨(えくぼ)の泛(うか)んだ顔を向けている...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...名前になるといふことを「泛」といふのであります...
内藤湖南 「大阪の町人學者富永仲基」
...半月空に泛び淡烟蒼茫として街を罩めたるさま春夜の如し...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...「レーズン」は泛用にて道理と譯し...
西周 「尚白箚記」
...室見川(むろみがわ)の清流又杯を泛(うか)ぶるに堪(た)へたり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...眼のふちのまわりに暗い色が泛(うか)み漂(ただよ)い...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...私はパリを思い泛べ...
横光利一 「北京と巴里(覚書)」
...不機嫌なときの参右衛門ほど露骨に不満を泛べる我ままな顔は少いであろう...
横光利一 「夜の靴」
...死の海に泛んだ生の美の象徴ではなかったか...
横光利一 「夜の靴」
...」と真紀子は薄笑いを泛べ机の上の椿姫を手にとってぺらぺらと頁を繰りながら...
横光利一 「旅愁」
...クリーム色に山査子の花を泛べた千鶴子の服が...
横光利一 「旅愁」
...ふと矢代には先祖の歴史と父の仕事との関連が泛んだり消えたりした...
横光利一 「旅愁」
...今また不意に泛んで来たりした...
横光利一 「旅愁」
...慄然(りつぜん)とした気泡が泛(う)いた...
吉川英治 「上杉謙信」
...中村の家にいる姉のおつみの青い痩せた顔を思い泛べると...
吉川英治 「新書太閤記」
...波紋のように時々泛(う)いた...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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