...誰が解雇した?」「そんなことをお聞きになるがものはありやしませんや! 誰がした彼がしたって……そんなことをなさるのは奥様に決まってまさあ!」とホセは自暴自棄(やけくそ)半分のような嘲(せせ)ら笑いを泛(うか)べた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...新聞や雑誌で見たことのあるその婦人の美しい顔が泛(うか)んで来た...
橘外男 「仁王門」
...印旛沼のほとりを過ぐしすゐのや柏木村を行きみればもく採る舟かつらに泛けるは((モクは方言なり藻をいふ))味村のつらゝの小舟葦邊にか漕ぎかくりけむ見れども見えず四日...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...ぽっかりと夜空に泛び上り...
西尾正 「陳情書」
...眼に涙さえ泛(うか)べていた...
葉山嘉樹 「淫賣婦」
...何ともいえぬ酷薄な徴笑を泛べながら...
久生十蘭 「魔都」
...如実に目に泛んで来る...
正岡容 「大正東京錦絵」
...桂という同級の連中の嘲弄的な声や目や肩つきが泛んだ...
「海流」
...激しい西洋の波の有様を次第に強く思い泛べるのだった...
横光利一 「旅愁」
...木の間からときどき洩れて来る街灯の光りにその都度千鶴子の帽子の紅色のネットが泛き出した...
横光利一 「旅愁」
...不思議とぱっと光りを人中に放つ明るさを泛べた微笑で...
横光利一 「旅愁」
...制服のまま人の好い微笑を泛べて黙っていた...
横光利一 「旅愁」
...それは必死無念の新九郎の瞼にかすかに泛かんできた涙だった...
吉川英治 「剣難女難」
...長江に泛(う)かみ出て...
吉川英治 「三国志」
...白く泛(う)いているように仰がれた...
吉川英治 「新書太閤記」
...微笑が泛(う)いた...
吉川英治 「親鸞」
...眼に泛(うか)べることができる...
吉川英治 「宮本武蔵」
...もしやと胸に泛(う)かんだので...
吉川英治 「宮本武蔵」
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