...小蔭(こかげ)へまわってそっと泪(なみだ)を拭(ぬぐ)いて長太息(といき)を漏(も)らしているのでございました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...」青木さんはお出かけのときに小蔭でお言ひになる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...おかみさんは裏口へ入らつしたときに小蔭に彳(たたず)んで窃(そつ)とかう仰つた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...谷の小蔭に唯一羽...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...則重が城の大手(おゝて)から十五六丁離れた森の小蔭(こかげ)に馬を立てゝ軍勢を指揮していると...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...小蔭から種々な事に...
近松秋江 「別れたる妻に送る手紙」
...月夜に往来へ財布を落しておいて小蔭にかくれて見ている...
寺田寅彦 「重兵衛さんの一家」
...ホテルのポルチエーが自分を小蔭へ引っぱって行って何かしら談判を始める...
寺田寅彦 「二つの正月」
...小蔭で自分の荷物などを取り纏めて...
徳田秋声 「爛」
...米友を小蔭に休らわせて置いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...母は自分を小蔭(こかげ)へ呼んで...
夏目漱石 「行人」
...その折そっと母を小蔭(こかげ)に呼んで...
夏目漱石 「行人」
...裏河岸伝ひ思ひがけなき材木の小蔭に鼾の聴ゆるは...
楢崎龍、川田雪山 「千里駒後日譚」
...河原柳南風吹け麦の穂に河原柳の影法師最早今年も沢瀉(おもだか)の花はちらほら咲きました待ちも暮しもしたけれど河原柳の影法師山に父母蔓葛羅(つたがつら)何故にこの頃山恋し藪に茱萸(ぐみ)の木野に茨茱萸も茨も忘れたが藪の小蔭の頬白は無事で居たかと啼きもした山に二人の父母は藪の小蔭の頬白は河原柳の花も見ず南風吹け麦の穂に...
野口雨情 「別後」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...手代の佐吉を小蔭に呼びました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...道が暑くてたまらないほど小蔭ひとつない草いきれのしている土地であった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...井戸の脇(わき)の小蔭(こかげ)に蹲(しゃが)む奴もあり...
ホフマンスタアル Hugo von Hofmannsthal 森鴎外訳 「痴人と死と」
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