...お鳥も日々惜しさうにしてその金を持つて行つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それをなぜか提出してもらへなかつた口惜しさからである...
小穴隆一 「二つの繪」
...」と女中は膃肭臍のやうな細い眼で檀那の後姿を見送りながら惜しさうに呟(ぼや)いた...
薄田泣菫 「茶話」
...いかにも口惜しさうに「かアさん...
永井荷風 「来訪者」
...――捨てられた口惜しさに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一人口ふやすのが惜しさに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...貴方は行ってしまうのね」彼女が少し口惜しさの混じった非難がましい声音で言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...何としても甘(うま)くはすげる事の成らぬ口惜しさ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...助かった少佐は口惜しさの余り当分失神したようになってしまった...
牧逸馬 「運命のSOS」
...口惜しさのあまり「そなたと契ろうよ」とかなり正面から哀切にゆき...
宮本百合子 「気むずかしやの見物」
...心中の口惜しさはいかんともなしえないという...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...悠二郎は口惜しさのあまりぽろぽろ涙をこぼし...
山本周五郎 「桑の木物語」
...あまりの口惜しさに...
山本周五郎 「日本婦道記」
...手も足も出なくなった口惜しささえ感じていたのだから……そうして初対面の作法も何もかも忘れて睨み付けていたのだから必ずや容易ならぬ眼色(めいろ)をしていたに違いないと思う...
夢野久作 「暗黒公使」
...釘を打たれたかと思う口惜しさに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...――とすれば、何という惜しさ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...通り一ぺんの口惜しさではなかった...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
...その際彼ほど残り惜しさを感じなかったものはなかろうと言われている...
和辻哲郎 「鎖国」
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