...世にも優れた歌人にまします故にこそ、あたら惜しさに、居たたまらずこのやうに申し上げるのでござります...
太宰治 「右大臣実朝」
...命惜しさに奴隷のごとくに唯々(いい)として恐怖と不安に顫(ふる)えながら一糸纏わぬ豊艶な姿を...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...その他になんの残り惜しさも感じなかった...
辻潤 「ふもれすく」
...お銀様は口惜しさに堪えられないで...
中里介山 「大菩薩峠」
...殘り惜しさが身を責める...
南部修太郎 「S中尉の話」
...S中尉は如何にも口惜しさうに溜息をして...
南部修太郎 「S中尉の話」
...他の女に取られる口惜しさで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...昨夜暗くなつてから行つたので」さう言ふ萩源三郎は如何にも口惜しさうでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小使はけげんな顔つきで教室を名残惜しさうに素速く見流して消えて行った...
原民喜 「奇蹟」
...私は不運で御座りますとて口惜しさ悲しさ打出し...
樋口一葉 「十三夜」
...歯を噛み折るほどの口惜しさだった...
火野葦平 「花と龍」
...口惜しさも通り越して涙も出ぬ始末だつた...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...口惜しさに堪らなくなつたから...
牧野信一 「センチメンタル・ドライヴ」
...あまりのことの口惜しさに...
正岡容 「小説 圓朝」
...理髪人命の惜しさに暫く黙しいたが...
南方熊楠 「十二支考」
...あまりの口惜しさに...
山本周五郎 「日本婦道記」
...おせんにも母や父の辛さ口惜しさがよく察しられた...
山本周五郎 「柳橋物語」
...口惜しさも、二重である...
吉川英治 「私本太平記」
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