...仇になりなん口惜しさ...
巌谷小波 「こがね丸」
...馬と主人とはお茶屋の門先(かどさき)に立つて残り惜しさうに内部(なか)を覗き込むでゐた...
薄田泣菫 「茶話」
...そして三杯目の茶碗を惜しさうに膳の上におくと...
薄田泣菫 「茶話」
...命惜しさに奴隷のごとくに唯々(いい)として恐怖と不安に顫(ふる)えながら一糸纏わぬ豊艶な姿を...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...残り惜しさのない快活なふうで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...口惜しさと、憤りとの上を、擽(くすぐ)ったく撫でられているようで、何処までついて行くのか? 何処で離れていいのか? 一体離れたものか、このまま益満の行くところまで、ついて行くのか、ついて行ったなら何うなるのか、離れてしまったなら、深雪は何うなるか?――(畜生め、一番、後方から斬ってやろうか)とも、考えたが、それは考えただけであった...
直木三十五 「南国太平記」
...恐らく私は「百万のマルコ(マルコ・ミリオネ)」と嗤(わら)われた昔の東邦旅行者の口惜しさを味わわねばならぬだろうし...
中島敦 「環礁」
...うつかり油斷して――」清吉は口惜しさうでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...口惜しさが高じてツイやつたんだよ」勝手な囁きの中を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ざまア見やがれ」文六は幾代を幸吉に取られる口惜しさに取逆上(とりのぼせ)て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...口惜しさが嵩(かう)じて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...佐渡屋金兵衞は惜しさうに舌嘗(したな)めずりをするのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ロッティはあまりの残り惜しさに...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...口惜しさのあまり座敷に転がつて...
牧野信一 「秋晴れの日」
...理髪人命の惜しさに暫く黙しいたが...
南方熊楠 「十二支考」
...口惜しさ、苦しさに、たえられなくなり、「くそうッ」と、顔を阿修羅(あしゅら)にして、むらがるなかへ、吠(ほ)えつつ駈けこんで行った者は、すべてそれきり帰って来なかった...
吉川英治 「私本太平記」
...うれしさやら口惜しさやらで...
吉川英治 「新書太閤記」
...語り尽きない残り惜しさを滲(にじ)ませていたが...
吉川英治 「新書太閤記」
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