...君行く路はやすらかに怪性のものも 君をあやめじ...
アーヴィング 高垣松雄訳 「クリスマス・イーヴ」
...屋台のまがきに、藤、菖蒲(あやめ)、牡丹(ぼたん)の造り花は飾ったが、その紅紫の色を奪って目立ったのは、膚脱(はだぬぎ)の緋(ひ)より、帯の萌葱(もえぎ)と、伊達巻の鬱金(うこん)縮緬(ちりめん)で...
泉鏡花 「怨霊借用」
...夢であやめもわかぬやみの中をたったひとり...
江戸川乱歩 「怪奇四十面相」
...これまであやめた旅人の菩提(ぼだい)を弔(とむら)ったとは頗(すこぶ)る殊勝に似たれども...
太宰治 「新釈諸国噺」
...いずれあやめという時は……左様...
中里介山 「大菩薩峠」
...まあやめますね」「そうでしょうか...
夏目漱石 「三四郎」
...六日の菖蒲(あやめ)だ」その御目見得の日が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十九の時あやめを生んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...今度はあやめと廊下で立話をしている鳩谷小八郎を見付けて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...潮来出島(いたこでじま)のまこもの中にあやめ咲くとはしおらしいというのがある...
牧野富太郎 「植物知識」
...ほととぎす鳴くやさ月のあやめ草あやめも知らぬ恋もするかな吉野川いは波高く行く水のはやくぞ人を思ひそめてし春日野(かすがぬ)の雪間を分けて生(お)ひ出づる草のはつかに見えし君かもの如きを初(はじめ)として...
正岡子規 「人々に答ふ」
......
山川登美子・増田雅子・與謝野晶子 「恋衣」
...紅を吸上げさせた色の褪(さ)めたやうに淡紅い菖蒲(あやめ)の花と白の杜若(かきつばた)とを五六本手に持つて...
三島霜川 「平民の娘」
...不面目ながらまあやめた方がよい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この外撰(えら)ばれた画はあるいは撫子(なでしこ)、あるいは桐、または竹、鶴、藤(ふじ)、蒲公英(たんぽぽ)、菖蒲(あやめ)、あるいは波、文字等...
柳宗悦 「工藝の道」
...やつらは人をあやめるくらいなんとも思っちゃあいねえ...
山本周五郎 「さぶ」
...浜町の菖蒲河岸(あやめがし)に舟をつないで...
吉川英治 「江戸三国志」
...“あやめ”の二十匁が一しょに出て来たときだった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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