...人家(じんか)の軒へあやめぐさ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...往来の旅人をあやめて金銀荷物押領(おうりょう)し...
太宰治 「新釈諸国噺」
...それには同じく従軍した知名な画家が死屍(しし)のそばに菖蒲(あやめ)が紫に咲いているところを描いていた...
田山花袋 「田舎教師」
...曾て十年以前に一度見たことのある菖蒲踊(あやめをどり)のさまなども思ひ出された...
田山録弥 「船路」
...『徒然草』の「あやめふく頃」で思い出すのはベルリンに住んではじめての聖霊降臨祭(プフィングステン)の日に近所の家々の入口の軒に白樺の折枝を挿すのを見て...
寺田寅彦 「五月の唯物観」
...ある種の渓(あやめ)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...菖蒲踊(あやめおど)りを御見物になりませんか――ということです...
中里介山 「大菩薩峠」
...水仙菖((すゐせんあやめ))に突つ込んで...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...續いてあやめ、これは大變な收獲でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十九の時あやめを生んで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...地にひれふしてあめつちにいのりしまこといれられず日出づる國のくにたみはあやめもわかぬやみぢゆく二...
芳賀矢一 「奉悼歌」
...「眼のいらん者(もん)は、こっち向け」菊、牡丹、萩(はぎ)、菖蒲(あやめ)、桜、梅――十二月の花々が、雪のなかを飛んで、雪のうえに落ちた...
火野葦平 「花と龍」
...物の文目(あやめ)も分らなかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...波紋の中に白い花菖蒲(あやめ)が咲いてゐた...
三好達治 「測量船」
...青年駅夫は「あやめ」を「燕子翼」(エンヅ井)...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...露西亜娘が辻辻でリラや「ねぢあやめ」の花を売り...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...前後のご守護をたのむ」獄中はもう黒白(あやめ)も分かたぬ黒煙であった...
吉川英治 「黒田如水」
...桃色の日傘、あやめの絵傘、とりどりに陽へかざす麗人二十二、三人、派手(はで)模様の袂(たもと)や藤いろの褄(つま)、緋(ひ)のけだしやら花色の股引(ぱっち)やら、塗(ぬ)りの下駄だの紅緒(べにお)の草履(ぞうり)だのが風にそそられて日傘の下にヒラヒラと交錯(こうさく)し、列に挟(はさ)まれた駕(かご)一挺(ちょう)、一人の美女がのっている...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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