...さきの『新紀元』が廢刊された時に創刊した『世界婦人』といふ月刊リーフレットの編集に當らせるべく喜んで迎へられました...
石川三四郎 「浪」
...財産私有の今日の制度が朽廢し去つた後は...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...かうした荒廢の前に立つては...
薄田泣菫 「飛鳥寺」
...彼等は彼等の自然が頽廢してゐるために過つのである...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...肉体的よりも夙(はや)くから精神的廢人になったわたくしの身には...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...この廢物利用の思ひつきは...
長岡半太郎 「大阪といふところ」
...時には荒み果てた心冷かな廢人の如く...
「修道院の秋」
...廢屋とはちがつて...
野上豐一郎 「ウォリクの城」
...美しい星空の下にパリは廢墟のやうに横たはつてるのが凄いやうだといふ...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...三十前後の頽廢的(たいはいてき)なポーズと聲とを持つた女で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...按摩を廢(よ)して氣樂に送つたことは言ふまでもありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...さうした頽廢の社會に於ては...
萩原朔太郎 「童話と教育について」
...あたまから亂離骨廢にこなして...
樋口一葉 「花ごもり」
...お京はお高祖頭巾(こそづきん)目深(まぶか)に風通の羽織着て例(いつも)に似合ぬ宜き粧(なり)なるを、吉三は見あげ見おろして、お前何處へ行きなすつたの、今日明日は忙がしくてお飯(まんま)を喰べる間もあるまいと言ふたでは無いか、何處へお客樣にあるいて居たのと不審を立てられて、取越しの御年始さと素知らぬ顏をすれば、嘘をいつてるぜ三十日(みそか)の年始を受ける家は無いやな、親類へでも行きなすつたかと問へば、とんでも無い親類へ行くやうな身に成つたのさ、私は明日あの裏の移轉(ひつこし)をするよ、餘りだしぬけだから嘸お前おどろくだらうね、私も少し不意なのでまだ本當とも思はれない、兎も角喜んでお呉れ惡るい事では無いからと言ふに、本當か、本當か、と吉は呆れて、嘘では無いか串戲では無いか、其樣な事を言つておどかして呉れなくても宜い、己れはお前が居なくなつたら少しも面白い事は無くなつて仕舞ふのだから其樣な厭やな戲言は廢しにしてお呉れ、ゑゝ詰らない事を言ふ人だと頭(かしら)をふるに、嘘では無いよ何時かお前が言つた通り上等の運が馬車に乘つて迎ひに來たといふ騷ぎだから彼處の裏には居られない、吉ちやん其うちに糸織ぞろひを調(こしら)へて上るよと言へば、厭やだ、己れは其樣な物は貰ひたく無い、お前その好い運といふは詰らぬ處へ行かうといふのでは無いか、一昨日自家(うち)の半次さんが左樣いつて居たに、仕事やのお京さんは八百屋横町に按摩をして居る伯父さんが口入れで何處のかお邸へ御奉公に出るのださうだ、何お小間使ひと言ふ年ではなし、奧さまのお側やお縫物しの譯は無い、三つ輪に結つて總の下つた被布を着るお妾さまに相違は無い、何うして彼の顏で仕事やが通せる物かと此樣な事をいつて居た、己れは其樣な事は無いと思ふから、聞違ひだらうと言つて、大喧嘩を遣つたのだが、お前もしや其處へ行くのでは無いか、其お邸へ行くのであらう、と問はれて、何も私だとて行きたい事は無いけれど行かなければ成らないのさ、吉ちやんお前にも最う逢はれなくなるねえ、とて唯いふ言ながら萎れて聞ゆれば、何んな出世に成るのか知らぬが其處へ行くのは廢したが宜らう、何もお前女口一つ針仕事で通せない事もなからう、彼れほど利く手を持つて居ながら何故つまらない其樣な事を始めたのか、餘り情ないでは無いかと吉は我身の潔白に比べて、お廢(よ)しよ、お廢しよ、斷つてお仕舞なと言へば、困つたねとお京は立止まつて、夫れでも吉ちやん私は洗ひ張に倦きが來て、最うお妾でも何でも宜い、何うで此樣な詰らないづくめだから、寧その腐れ縮緬着物で世を過ぐさうと思ふのさ...
樋口一葉 「わかれ道」
...何故に私は端初に於てまさに端初の概念を廢棄し得べきでないのか...
三木清 「歴史哲學」
...あと形もない廢嫡問題よりは...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...在來の女袴は追々に廢れたやうである...
柳田國男 「服裝語彙分類案」
...みんな廢語だらう...
吉川英治 「折々の記」
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