...よろずの塵(ちり)や藻屑(もくず)のつきたれども打ち払わず...
芥川龍之介 「俊寛」
...抜屑を丹念に引丸(ひんまる)めたのが出たのにゃ...
泉鏡花 「婦系図」
...原の裾の方で屑屋が籠を下ろして一人で紙を選んでゐる...
千家元麿 「自分は見た」
...・明けてくる物みな澄んで時計ちくたく・はなれたかげはをとことをなごの寒い月あかり・けさの雪へ最初の足あとつけて郵便やさん・とぼ/\もどる凩のみちがまつすぐここに家してお正月の南天あかしたまたま落葉ふむ音がすれば鮮人の屑買ひ緑平老の愛犬ネロが行方不明となつたと知らされて二句・冬空のどちらへいつてしまつたか・犬も(ネロも)ゐなくなつた夫婦ぎりの冬夜のラヂオ一月廿一日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...撰屑(よりくず)の林檎の可惜(あたら)転(ころ)がるのを見た...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...更に栗の木屑(きくず)をいっぱいつめた樫(かし)の箱に入れておいた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...電車は人屑をいっぱい詰めて威張って往来を歩いてるじゃないか」「ハハハハすると君は屑籠の運転手と云う事になる」「君が屑籠の社長で...
夏目漱石 「虞美人草」
...よく斯う言つた屑のやうな人間が餓(う)ゑも凍(こゞ)えもせずに存在して居たのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その隙間から屑の中へこぼれたものとわかつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...だんだんパン屑の方に寄って来ました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...藁屑(わらくず)が流れてゆく...
林芙美子 「河沙魚」
...平凡な馬鈴薯(じやがいも)と古くさい肉の變な切屑とを一緒に煮てあつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...磨(みが)きをかけた木材はくだらぬ木屑であり...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...何處からかいくつも紙屑をころがしてくる...
堀辰雄 「眠れる人」
...例の封筒からゴミ屑を出した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...しばしば小粒の星屑が光つてゐるのを見受けた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...両川(りやうせん)が一つになつて流るれば毛利高松藻屑(もくづ)にぞなる「どうじゃ」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...菓子がくれば菓子の屑(くず)を膝にこぼしてボリボリむさぼる...
吉川英治 「宮本武蔵」
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