...この手紙をここへ届けておくれ...
有島武郎 「或る女」
...痒(かゆ)いところへ手の届くようなお小夜の働きぶりを病母も心から嬉しいのだ...
伊藤左千夫 「新万葉物語」
...そこにはやせ型の男と太っちょの支配人との行き届いたくふうがこらされていた...
江戸川乱歩 「影男」
...そういう不届き千万な要求を持ち込むのだから心細い...
寺田寅彦 「田丸先生の追憶」
...すっかり見届けてしまったんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...それから深谷(ふかだに)までお爺(じい)さんを届(とど)けにいってくるのは楽(らく)な仕事(しごと)ではなかった...
新美南吉 「ごんごろ鐘」
...ここからでも吹矢が届かないことはない――なんて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...殆ど何の脅迫の光線も届かぬ場所に安置されてゐる僕がふとどうにもならぬ不安に駆りたたれてゐた...
原民喜 「鎮魂歌」
...この行き届きかた……秋川は...
久生十蘭 「あなたも私も」
...手を伸ばせば届くところにある...
久生十蘭 「キャラコさん」
...是(こ)れまで私は部屋住(へやずみ)だから外(ほか)に出るからと云て届(とどけ)も願(ねがい)も要(い)らぬ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...漏斗の中は、目の届く限り、平らな、光る、墨のやうに黒い水の塀になつてゐる...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「うづしほ」
...六ヶ月後に中指が同様に衝撃的に届き...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...且又御状一通御届申候ため...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...とにかくもう卒業に手が届いていた...
森鴎外 「雁」
...芳爺さんが青べかを届けて来た日の...
山本周五郎 「青べか物語」
...それが最も人目につきやすい辻へ打ち建てられるのを見届けて...
吉川英治 「宮本武蔵」
...さっさと走って! 指で口笛を吹いてるがいい」戸棚のてっぺんの、白い下着類を重ねた上で、三つの赤い総と、金の縁飾のある旗にくるまって、にんじんのラッパは、手も届かず、見えもせず、音も立てず、最後の審判のそれのように、誰かに吹かれるのを待っている...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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