...新吉の眼はその柳の嫩葉にちらちらと動いて往ったが...
田中貢太郎 「女の首」
...初夏の山の中は嫩葉(わかば)に飾られて...
田中貢太郎 「竈の中の顔」
...欅の嫩葉に彩られた境内は静(しずか)であった...
田中貢太郎 「春心」
...楓は微紅(うすあか)い嫩葉(わかば)をつけていた...
田中貢太郎 「春心」
...嫩葉(わかば)の間から実の覗(のぞ)いている梅の木があって門の中を覆うていた...
田中貢太郎 「春心」
...胸毛の白い小鳥は嫩葉(わかば)の陰で囀(さえず)っていた...
田中貢太郎 「藤の瓔珞」
...山の麓(ふもと)の渓川の岸には赤と紫の躑躅(つつじ)が嫩葉(わかば)に刺繍(ししゅう)をしたように咲いていた...
田中貢太郎 「山寺の怪」
...さうして丁度、南瓜や、朝顔や、名も知らぬおおきな白い豆の芽が、嫩葉を開いたり、太い頭を擡げたりしてゐた...
外村繁 「打出の小槌」
...籾種(もみだね)がぽつちりと水(みづ)を突(つ)き上(あ)げて萌(も)え出(だ)すと漸(やうや)く強(つよ)くなつた日光(につくわう)に緑(みどり)深(ふか)くなつた嫩葉(わかば)がぐつたりとする...
長塚節 「土」
...田圃(たんぼ)の榛(はん)の木(き)はだらけた花(はな)が落(お)ちて嫩葉(わかば)にはまだ少(すこ)し暇(ひま)があるので手持(てもち)なさ相(さう)に立(た)つて居(ゐ)る季節(きせつ)である...
長塚節 「土」
...またヨモギは誰もが知っている通り春の嫩葉(わかば)を採って餅へ搗きこみ...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...その嫩葉を食用にするのだがあまり美味なものではない...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...それはその嫩葉を茶と作(な)して飲む事が出来るからそういうとの事であるが...
牧野富太郎 「植物記」
...まぶしい光のなかに戰いでゐる何かの嫩葉立ちの青い色をながめてゐた...
室生犀星 「星より來れる者」
...ざわめいて嫩葉(わかば)がきらきらと氾れるように一面に光るさまを...
山川方夫 「昼の花火」
...やがて嫩葉(わかば)女学校の横の暗いところに這入ると...
夢野久作 「人の顔」
...「……オオ!」とたんに樹々の嫩葉(わかば)も梢もびゅうびゅうと鳴って...
吉川英治 「三国志」
...嫩葉(ふたば)のうちに...
吉川英治 「日本名婦伝」
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