...丁度薄墨を刷(は)いたやうに...
芥川龍之介 「好色」
...果然海内の文人墨客は巽斎の大名の挙がると共に...
芥川龍之介 「僻見」
...墨(すみ)を磨(す)るかな...
石川啄木 「悲しき玩具」
...白墨で三角印をつけてゆく...
海野十三 「空襲警報」
...すなはち墨江(すみのえ)の大神の荒御魂(あらみたま)一五を...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...虚堂墨蹟がむかしからどんなに重んじられたかが...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...濃紫の薄衣に墨染の衣を着たのが...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...空は墨を流したやうに暗かつた...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...やはり平井さんの墨のような色は出なかった...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...將軍家光公の御墨附(おすみつき)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その部屋(へや)には女房も多くは置かずにただ二、三人、墨をすらせたり、古い歌集の歌を命ぜられたとおりに捜し出したりするのに役にたつような者を呼んであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...蘭軒の「次韻真野冬旭題墨田川百花園詩」の作はかうである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...墨水泛舟」と註してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...わが三度目の産月(うみづき)を案じ給へる情(なさけ)もてすべて満たせる文ぞとは薄墨ながらいと著(しる)し...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...それまではまッすぐに立っていた燭(しょく)が微(かす)かな墨をふいて横になびいている...
吉川英治 「私本太平記」
...この御恩義をどうしてよいか分りませぬ』『墨江殿……』と...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...――梁楷を慕うといわれるのもその通りで、友松の墨画は、そもそも梁楷からその骨法をとっているとされている...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...日に一度ずつ墨屋敷の近所を歩き廻ったところで怪しまれる気づかいはない...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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