...十二種(いろ)の絵具が小さな墨のように四角な形にかためられて...
有島武郎 「一房の葡萄」
...墨東は忘れがたい地である...
心猿 「桜もち」
...墨がかわかないので...
上村松園 「明治懐顧」
...そこではじめて身を墨染に更へたのださうです...
田山花袋 「道綱の母」
...今夜見れば墨痕(ぼくこん)美わしく「彰忠(しょうちゅう)」の二字に化(な)って居る...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...此墨本は其後段々に其數を増加して、古代の伏羲・神農等の帝王を加へしを以て、想像畫と肖像畫との混雜せしものとなれるが、自分の所藏する元代の本はこの想像畫を加へざるも、明初の墨本、及び日本に於て慶長頃に『君臣圖像』として明版より複刻され、更に幾度も翻刻されしものは、皆想像畫を加へあり、ともかくも廣く行はれしものなるが、新舊板を參照して、細心の注意をなせば、肖像畫がどこまで古きものが傳寫されしかを知る材料には供し得べし...
内藤湖南 「日本の肖像畫と鎌倉時代」
...この入墨者を峠から一足でも甲州分へ入れた日にゃあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...そして「なかなか良い墨だそうだね...
中谷宇吉郎 「南画を描く話」
...御望の方は○○筆墨店へ御一報を乞う」...
夏目漱石 「倫敦消息」
...其ノ面ハ深墨ニシテ其ノ骨ハ稜々タリ...
成島柳北 「祭活字子文」
...「恐れながら、御墨付と短刀は、この御屋敷の中にあるに相違ございません、――御屋敷中の物で、私奴の調べの届かない品と申せば、殿様御出発際錠前をおろされた御手元の御用箪笥だけでございます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...御墨附(おすみつき)一通と共に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...その口振りによりて昼のほど公園に遊び帰途勧工場(かんこうば)に立ち寄りて筆紙墨(ひっしぼく)を買いたりし事まで既に残りのう探り尽されたるを知り...
福田英子 「妾の半生涯」
...職工達が墨を曳(ひ)いた大小の木材を鋸切(のこぎ)り場(ば)へ持つて行つて...
宮地嘉六 「ある職工の手記」
...また文人風の水墨にも才があった...
山本周五郎 「新潮記」
...鍋墨の雁八とも別れてから後(のち)...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...こう新しい墨で書かれてあったからだという...
吉川英治 「宮本武蔵」
...薄墨を流したような...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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