...十二種(いろ)の絵具が小さな墨のように四角な形にかためられて...
有島武郎 「一房の葡萄」
...夜気に沈んだ薄墨の石燈籠の大きな蓋のように何処までも行儀よく並んだのが...
泉鏡花 「遺稿」
...墨汁の膠質粒子(こうしつりゅうし)は外からはいる黴菌(ばいきん)を食い止め...
寺田寅彦 「自由画稿」
...わが門の句は墨絵のごとくすべし...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...新しい白熱電灯近頃トムソン・ボーストン会社で専売特許となった白熱灯の炭素線は純粋な石墨だという...
寺田寅彦 「話の種」
...齊昭より「――墨夷及狼藉候迚も...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...墨繩(すみなわ)で設計され...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それで墨絵に転向したわけでもないが...
中谷宇吉郎 「画業二十年」
...大きな銀杏(いちょう)に墨汁(ぼくじゅう)を点(てん)じたような滴々(てきてき)の烏(からす)が乱れている...
夏目漱石 「野分」
...空(そら)には薄墨(うすずみ)の染(にじ)んだ樣(やう)な雲(くも)がしきりに動(うご)いた...
夏目漱石 「門」
...禿筆(ちびふで)へたっぷり墨汁(すみ)を含ませて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...コンクリートの教室はうす墨いろに暮れていた...
本庄陸男 「白い壁」
...と墨象一派の新書道家がご都合よろしくこれを楯にとらうとする...
三好達治 「棋家の文章など」
...床と同じ薄墨色になっている...
森鴎外 「食堂」
...発墨の工合がよいといわれます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...――何ももう、済んでしまった事だ、恥かしがるにも及ぶまいが』『…………』『え、墨江』『……わたくし……わたくしはもう、帰らせていただきます』まだ戦慄(せんりつ)のやまないような声で、墨江が云うと、伏原半蔵は、冷淡な投げ調子で、『帰る? ……そうか、帰るなら帰れ...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...墨屋敷から出た怪し火だといった」「ウム...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...ドイツ語による訂正と同じ墨蹟で曲線的な象形文字が書かれているのだが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「時間からの影」
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