...溢水の落ちる堰のほとりに二三の飲食店があるが...
犬田卯 「錦紗」
...まず浮津川(うきつがわ)の川尻から海中に向けて堰堤(えんてい)を築き...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...交通を堰(せ)かれている間に知らず識らず彼を恋い始めていたのではなかったか...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...川下が堰(せ)きとめられて緑礬色(りょくばんいろ)の水が湛え...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...堰のあたりなど、下方に水の漏れる穴でもあったのか、満々と湛えた水面に、大きな渦が巻いていた...
豊島与志雄 「絶縁体」
...堰の近くになった時...
豊島与志雄 「道連」
...ばつけの堰を越しては豚小屋の奥の可愛いアトリエへ遊びに行った...
林芙美子 「落合町山川記」
...こらえていた感慨の堰(せき)が切れたように...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...幌馬車(キビートカ)が堰の上へあがると...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...私の涙はあなたが一所懸命に支へてゐる涙の堰を危くするだらうと恐れたのでした...
水野仙子 「響」
...香代ちやん!(不意に堰を切つたやうにワーツと泣き出す香代...
三好十郎 「地熱」
...犀川を二カ所で堰止めたが...
武者金吉 「地震なまず」
...それだのに涙腺(るいせん)は無理に門を開けさせられて熱い水の堰(せき)をかよわせた...
山田美妙 「武蔵野」
...堰(せき)を切り...
吉川英治 「三国志」
...堰(せき)を切(き)って即時撤兵(てっぺい)は両軍媾和(こうわ)の原則だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...堰(せき)となって立(た)ち淀(よど)みながら...
吉川英治 「新書太閤記」
...堰(せき)を築き...
吉川英治 「宮本武蔵」
...水の出口を堰止めて雨水を溜めただけのことだ」「へえ...
蘭郁二郎 「植物人間」
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