...ご威風(いふう)堂々と新羅(しらぎ)をおひき上げになりました...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...冬だというのに堂々と店先に出ている氷の塊(かたまり)は...
高見順 「如何なる星の下に」
...何もことさらに堂々とお歌を作り...
太宰治 「右大臣実朝」
...あなたと堂々と結婚(けっこん)できると思う...
田中英光 「オリンポスの果実」
...そして堂々と罰金を食った新聞があった...
谷譲次 「踊る地平線」
...彼のほうへ堂々と進み出て来た...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...僧形の同職が先以(まずもっ)て言いけらく、「いかがでござる、道庵先生、木曾街道の印象は……」「悪くないね」道庵が仔細らしく杯(さかずき)を下へ置いて、「第一、この森林の美というものが天下に類がないね……尤(もっと)も、ここに天下というのは日本のことだよ、日本だけのことだよ、同じ天下でも支那のことは知らねえ、崑崙山(こんろんさん)や、長江(ちょうこう)の奥なんぞは知らねえ、アメリカのことも知らねえ、日本だけの天下ではまず……といったところで、薩摩の果てや、蝦夷松前(えぞまつまえ)のことは知らねえ、甚(はなは)だお恥かしいわけのものだが、まず愚老の知っている範囲で、木曾の森林にまさる森林は、限られたる天下にはあるまいね」「御尤(ごもっと)ものお説でございます、森林の美は木曾にまされるところなしとは、先生のお説のみならず、一般の定評のようでございます」「そうだろう、第一、色が違わあね、この堂々として、真黒な色を帯びた林相というものが、ほかの地方には無(ね)え」「樹木の性質と、年齢とが違いますからね...
中里介山 「大菩薩峠」
...然し三造は正々堂々と戦はうと思つてゐるのである...
中原中也 「青年青木三造」
...表口から堂々と出て行つたお濱を...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...漆原といふ苗字(めうじ)を堂々と名乘つて通る家柄だつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...バーニ先生はジェシの腕に手を置き、落ち着き払って、堂々としている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...堂々とそれを討論してゆく人間にならなければなりません...
宮本百合子 「新しい躾」
...堂々と、まるで風のように僕を失恋させましたよ...
森本薫 「みごとな女」
...わたしには彼の徳が勝ち誇った歩調で、堂々と、悠揚迫らず、何らの障害にも遇わずに濶歩するさまが、目に見えるように思われる...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...(b)堂々と彼女たちに要求してやりたいものだ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...眼に付いた異性に対して堂々とモーションをかける...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...それがみな優しい姿なりに堂々として聳(そび)えている...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...心行くばかりあの堂々とした姿を味わうことができた...
和辻哲郎 「四十年前のエキスカージョン」
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