...当局の厳しい取締の網目(あみめ)をすりぬけて此処(ここ)満洲を堂々と貸切列車で押し進んでいっているということから考えても...
海野十三 「キド効果」
...正々堂々と名乗りを上げて果し合うんでなくっちゃ面白くありませんですから...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「機密の魅惑」
...よく売れていた店が広く堂々と改造され...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...冬に抵抗してきた枯れ木の堂々とした美とくらべて見るのはたのしい...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...目鼻立がはっきりしている上に、顔の寸が長く、髪はと云えば昔の平安朝の人などのように立つと地に着くくらいあるのを、つややかに島田に結い上げた姿は、実に堂々として、艶麗(えんれい)でありながら威厳があり、こんな人に十二単衣(ひとえ)を着せたらばどんなであろうかと思ったものであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...粥釣りに来るおおぜいの中でも勇敢なのは堂々と先頭に立ってやって来るが...
寺田寅彦 「自由画稿」
...方言から批評へ行くことは堂々とした形では不可能だ...
戸坂潤 「読書法」
...あまりに堂々と宣言されたる正義は他を動揺させる...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...僧形の同職が先以(まずもっ)て言いけらく、「いかがでござる、道庵先生、木曾街道の印象は……」「悪くないね」道庵が仔細らしく杯(さかずき)を下へ置いて、「第一、この森林の美というものが天下に類がないね……尤(もっと)も、ここに天下というのは日本のことだよ、日本だけのことだよ、同じ天下でも支那のことは知らねえ、崑崙山(こんろんさん)や、長江(ちょうこう)の奥なんぞは知らねえ、アメリカのことも知らねえ、日本だけの天下ではまず……といったところで、薩摩の果てや、蝦夷松前(えぞまつまえ)のことは知らねえ、甚(はなは)だお恥かしいわけのものだが、まず愚老の知っている範囲で、木曾の森林にまさる森林は、限られたる天下にはあるまいね」「御尤(ごもっと)ものお説でございます、森林の美は木曾にまされるところなしとは、先生のお説のみならず、一般の定評のようでございます」「そうだろう、第一、色が違わあね、この堂々として、真黒な色を帯びた林相というものが、ほかの地方には無(ね)え」「樹木の性質と、年齢とが違いますからね...
中里介山 「大菩薩峠」
...最良の利益とは正々堂々と人の前でいって恥ずかしくないことをいうのである...
新渡戸稲造 「自警録」
...真にリズミカルに堂々と行軍する...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...日の大君のお帰りといふ程の心を晶子さん得意の筆法で堂々と表現したものである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...モートンは堂々と威張って登場だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...すると党員の中から一人の男のひとが立ち上り堂々と演説をはじめました...
宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
...シッカリと堂々として...
三好十郎 「恐怖の季節」
...堂々としてやっていた...
室生犀星 「芥川の原稿」
...これ等の売薬や書籍は白昼堂々と店頭に曝(さら)されている...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...初めから堂々と鼓(こ)を鳴らして...
吉川英治 「新書太閤記」
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