...世の中には堂々たる大幽霊となって伝わるのが多い...
井上円了 「おばけの正体」
...その重々しい文学士が下等新聞記者の片手間仕事になっていた小説――その時分は全く戯作だった――その戯作を堂々と署名して打って出たという事は実に青天の霹靂といおう乎(か)...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...悪びれもせず堂々と言ってのけている...
太宰治 「庭」
...その著書の外観の堂々たることに眩惑されて...
知里真志保 「アイヌ語学」
...一体都会と云っても堂々たる官衙や富豪の邸宅もあれば...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...旗鼓堂々(きこどうどう)たる大流でなく...
中里介山 「大菩薩峠」
...堂々たる大家の主人の行動に...
中里介山 「大菩薩峠」
...堂々たる體躯の島民女だつたので...
中島敦 「環礁」
...誠に堂々としたものである...
中谷宇吉郎 「「霜柱の研究」について」
...血が退(ひ)いて肉が落ちた孤堂先生の顔に比べると威風堂々たるものである...
夏目漱石 「虞美人草」
...その堂々とした体躯(たいく)でくら闇を押し割って歩いていた...
本庄陸男 「石狩川」
...この簡単な堂々めぐりを観察しただけでも十分にわかると思う...
宮本百合子 「衣服と婦人の生活」
...時には堂々とフロックコート...
山本笑月 「明治世相百話」
...堂々と……真面目に……真面目に……不可抗的の威力をもって私を圧倒すべく近づいて来る...
夢野久作 「線路」
...愛国婦人の名は美くしくかつ堂々としている...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...公(おおやけ)の法廷で堂々申し開くに如(し)くはない...
吉川英治 「新・水滸伝」
...堂々たる武者行列で往来したものらしかった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...しかし、師弟の情誼(じょうぎ)を口にし、武道の冤(えん)を雪(そそ)ごうという考えなれば、なぜ、伝七郎殿の如く、また清十郎殿の如く、堂々と、この武蔵へすじみち立てて正当な試合に及ばれぬか」「だまれっ! 汝こそ、今日まで居所(きょしょ)をくらまして、われわれの眼がなくば、他国へ逃げのびようといたしながら」「卑劣者は、人の心事も卑劣に邪推する、武蔵は、かくの通り、逃げもかくれもしておらぬ」「見つかッたればこそであろうが」「なんの、姿を晦(くら)ます心なら、これしきの場所、どこからでも」「然らば、吉岡門の者が、あのまま、汝を無事に通すと心得ていたか」「いずれ、各から挨拶はあるものと存じていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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