...此の如き人生のパラドツクスは主我主義に固執する者が自我の内容を眞正に豐富にすることが出來ないのに似てゐる...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...俺は飽くまでも此立脚地を固執する...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...その固執する論題――対スペイン和平は屈辱なり――について一場の熱烈な演説を試みると...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...色に執するが故に色を失ふ...
種田山頭火 「其中日記」
...酒に執するなかれ...
種田山頭火 「旅日記」
...しかし書かないことを固執するにも及ぶまいから...
津田左右吉 「学究生活五十年」
...そのためにはただ一面だけを固執する流派は少し困るかもしれない...
寺田寅彦 「俳諧瑣談」
...即ち従来の古典物理学的な範疇体系であった機械論を固執すると仮定すれば...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...そういう不充分な段階から抜け出ることを欲せずあくまでその段階に固執する場合に...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...それはそれ自身を固執する力を有っているのであり...
戸坂潤 「日本文化の特殊性」
...なお根本制約として教学精神がみずからを固執するだろうことを...
戸坂潤 「日本文化の特殊性」
...形式に固執することによってかえって我々の認識を貧困ならしめる...
三木清 「危機における理論的意識」
...明石は子を放すまいと固執する力が弱って行った...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...もっともこれにまた執すれば...
柳宗悦 「改めて民藝について」
...大義に執する余り矯激にわたる弊のあることを知っていた...
山本周五郎 「新潮記」
...わが義を固執するために...
吉川英治 「新書太閤記」
...それは無始以来の妄念に執するのである...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...有無の差別に執すればそれは仏性を毒するであろう...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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