...昔の放埓(ほうらつ)の記憶を...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...ともかくも金で埓(らち)の開く事ですが...
芥川龍之介 「妖婆」
...もし誤って無思慮にも自分の埓(らち)を越えて...
有島武郎 「広津氏に答う」
...放埓者(ほうらつもの)のような恰好をしていた...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...相当に放埓な生活をし...
豊島与志雄 「霧の中」
...盜(ぬす)まつたなんて屆(とゞ)けしてゝさうして警察(けいさつ)へ餘計(よけい)な手間(てま)掛(か)けて不埓(ふらち)な奴(やつ)だなんて呶鳴(どな)らつた時(とき)にやどうすべかと思(おも)つて...
長塚節 「土」
...此程に至り諸事好都合に埓(らち)あき...
夏目漱石 「虞美人草」
...金だけ貰って当り障(さわ)りのない事を喋舌(しゃべ)るがいいや」「そう怒っても僕の咎(とが)じゃないんだから埓(らち)はあかんよ」「その上若い女に祟(たた)ると御負けを附加(つけた)したんだ...
夏目漱石 「琴のそら音」
...もしあの女が浩さんと同藩でないとするとこの事件は当分埓(らち)があかない...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...今更一埓を人に打ち明ける気にもなりません...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...白人国に買われた土人のような淋しさで埓(らち)もない唄をうたっている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...さんざんな放埓をするのです...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...腹でも切って埓をあけようかといって...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...この不埓者(ふらちもの)めと云(いっ)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...果(はて)しのない埓(らち)のない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...それを制へてゐると却つて私は惡埓な人間になりさうですから...
室生犀星 「帆の世界」
...一時的な関係から起こってくる放埓(ほうらつ)な生活――というようなことにはおちいりません...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...未練が出て今一度老婆に滯在のことを頼んでみたが生返事で一向埓(らち)があかず...
若山牧水 「比叡山」
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