...放埓(ほうらつ)...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...その同僚弁護士の風采が放埓なというほどではないにしても無頓著でじだらくなのを差引すれば...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...放埓者(ほうらつもの)のような恰好をしていた...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...却って不埓にも排日排満の形を取って表面に現われたものだったのである...
戸坂潤 「社会時評」
...新聞記事の埓外には出ず...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...ただ彼らの仕事と安静とを邪魔する放埓(ほうらつ)にたいしてだけ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...但し自分では放埓だとも思ってやしないがね...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...その奉書の右の方には其方不埓儀有之(これあり)...
直木三十五 「南国太平記」
...常識の埓外で手をふり上げてあばれまはつてゐるやうだ...
林芙美子 「旅人」
...なんでも切りだせと放埓な命令を下したので...
久生十蘭 「海難記」
...人々は、埓もなく、「早く、舟を出せ」「ホテルのモーター・ボートはどうした」などと叫びながら、ウロウロと渚を走り廻るばかりで、とっさに、どうしようかんがえも浮んで来ないのだった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...寝框に突ッ伏して念仏をとなえるという埓(らち)のなさであった...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...かえって散らかしてしまうという埓のなさだが...
久生十蘭 「白雪姫」
...再三再四の不埓(ふらち)...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...そこで公方様が腹を立てなすって宇都宮以下常野十二藩に出兵を命ずと来たが、何しろ相手は命がけだ、埓が明かねえ、その内に水戸様不取締りとあって五月二十八日、幕命を以て天狗方の御家老武田伊賀守隠居謹慎、六月一日、同じく岡田国老をも隠居させ、諸生組の頭棟朝比奈、市川、佐藤を執権に据えは据えたが、天狗は筑波でやっぱりあばれる...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...その数は我々人間の放埓や無分別などがもたらすものにくらべて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...一人としてみずから埓(らち)を越えたりと考うる者なし...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不埓(ふらち)につき...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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