...その放埓の生活の中に...
芥川龍之介 「或日の大石内蔵助」
...だから私の写生帖にも一緒くたに縮図と写生が埓もなく描込んである...
上村松園 「写生帖の思ひ出」
...お遊さんの心のおくへ這入(はい)ってみましたら自分で自分にゆいまわしていた埓(らち)が外(はず)れてしまったような気持のゆるみができまして妹の心中(しんじゅう)だてを憎もうとしても憎めなんだのでござりましょう...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...つまりやくざで放埓なばかりでなく...
豊島与志雄 「作家的思想」
...「埓も無い――一体...
直木三十五 「南国太平記」
...へえでは埓(らち)があかん...
夏目漱石 「琴のそら音」
...こうなるといくら遺伝学を振り廻しても埓(らち)はあかん...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...すぐ入れさして貰ひたい思うてますのに……」何となく埓のあかないやうな返事なので...
林芙美子 「風媒」
...見(み)る目(め)と家内(うち)とは違(ちが)ひて何處(いづこ)にも金錢(きんせん)の埓(らち)は明(あ)きにくけれど...
一葉女史 「大つごもり」
...葵にはすこし放埓にも見えた彼は...
久生十蘭 「金狼」
...寝框に突ッ伏して念仏をとなえるという埓(らち)のなさであった...
久生十蘭 「重吉漂流紀聞」
...埓をあけたい気もあるのだ」清兵衛は...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...そうしていても埓のあく様子もないから...
久生十蘭 「魔都」
...急病人でも出たのですかえ」加十は埓もなく...
久生十蘭 「魔都」
...再三再四の不埓(ふらち)...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...(a)わたしがはまりこんでいる放埓は...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...結局放埓に対して大した抵抗もせず...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...我々の放埓(ほうらつ)に少しの類似も持たないというほど...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
便利!手書き漢字入力検索