...あえて越ゆべからざる埓(らち)を越えようは思わないのだ...
有島武郎 「広津氏に答う」
...埓(らち)もなくびくびくするのだ...
伊藤左千夫 「去年」
...文学者(ぶんがくしや)を以(もつ)て放埓(はうらつ)遊惰(いうだ)怠慢(たいまん)痴呆(ちはう)社会(しやくわい)の穀潰(ごくつぶ)し太平(たいへい)の寄生虫(きせいちう)となすも...
三文字屋金平 「為文学者経」
...同胞(どうばう)の血(ち)を以(もっ)て刃金(はがね)を穢(けが)す不埓奴(ふらちやつ)……聽(き)きをらぬな?……やア/\...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...不埓(ふらち)な事(こと)ぢゃ...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...放埓者(ほうらつもの)のような恰好をしていた...
コナン・ドイル 三上於莵吉訳 「自転車嬢の危難」
...こうなるといくら遺伝学を振り廻しても埓(らち)はあかん...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...しかし古いだけで埓(らち)は一向開かなかった...
夏目漱石 「道草」
...あたしが埓をあけてあげます...
久生十蘭 「あなたも私も」
...今もそこで泣いていたンだぞ」と埓(らち)もなくおなじことを繰返していたそうだ...
久生十蘭 「湖畔」
...一体いつまで待っていれば埓があくというんだ...
久生十蘭 「魔都」
...一向埓(らち)があかぬのであった...
久生十蘭 「魔都」
...所で私はその男を或る若い道樂者の子爵として見知つてゐたのです――馬鹿な上に放埓(はうらつ)な男で...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...愚※々々してゐたら埓があかんわ...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...そこで公方様が腹を立てなすって宇都宮以下常野十二藩に出兵を命ずと来たが、何しろ相手は命がけだ、埓が明かねえ、その内に水戸様不取締りとあって五月二十八日、幕命を以て天狗方の御家老武田伊賀守隠居謹慎、六月一日、同じく岡田国老をも隠居させ、諸生組の頭棟朝比奈、市川、佐藤を執権に据えは据えたが、天狗は筑波でやっぱりあばれる...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...まったくこうした部門は我々人間の理性の埓外にあるのだから...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...頭から襄陽の会の不埓(ふらち)をなじって武士たちに...
吉川英治 「三国志」
...煙草休(たばこやす)みよ』『不埓(ふらち)を申せっ...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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