...けれども葉子はもう左手の小指を器用に折り曲げて...
有島武郎 「或る女」
...まっさおになった顔にふりかかる髪の毛を左の手で器用にかき上げた...
有島武郎 「或る女」
...じゃまあおやすみ」彼れは器用に小腰をかがめて古い手提鞄(てさげかばん)と帽子とを取上げた...
有島武郎 「カインの末裔」
...なんでも器用にやれるという村人の評判であったのだ...
犬田卯 「沼畔小話集」
...低い程度で器用には纒(まと)まってると思う...
岩野泡鳴 「猫八」
...器用に足を踏まえている信号兵は...
海野十三 「空襲葬送曲」
...それと同時に指先の細工も器用にできればこれに越すことはないが...
丘浅次郎 「民族の発展と理科」
...何しろひどく不器用に見える...
高村光太郎 「黄山谷について」
...まめまめしくしかも不器用に...
橘外男 「仁王門」
...それで器用に隠されているのはほんの下っ腹のところだけで...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...彼女は器用に一本ぬき取った...
豊島与志雄 「無法者」
...器用に活かして使いさえすれば...
中里介山 「大菩薩峠」
...前掛けを器用にはねのけて...
夏目漱石 「三四郎」
...幕を隔てて背後(うしろ)からあんなに器用に人間の心臓を刺せるものではない...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...物事を器用にこなす奴だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...器用に言っておしまいなさい...
久生十蘭 「魔都」
...器用にメアリは生活している...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...ちよつと器用に出来たらう...
牧野信一 「「悪」の同意語」
便利!手書き漢字入力検索