...その河童は嘗ては親だつたのですが...
芥川龍之介 「河童」
...中には随分辛い浮世の塩を嘗(な)めさせられた人もあったが...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...そして嘗(かつ)ては...
海野十三 「空中漂流一週間」
...嘗(かつ)て敵となりし人々の婦女も京都堀川にてその行装を見物せりと云ふ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...ここにおいて彼は嘗(かつ)て蹈海(とうかい)失敗の余勇を養いたりし...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...嘗てスコラ哲学の時代又シェークスピアやミケランジェロの時代には...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...嘗てわが国に於て大新聞紙と小新聞紙との区別が行なわれたが...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...嘗(な)めるように捜しても...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...嘗(な)めたやうに綺麗だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...西田はひどい辛酸を嘗(な)めた...
原民喜 「廃墟から」
...嘗て私は学生時代に「広島」といふ小説を書かうと念願したこともあった...
原民喜 「広島の牧歌」
...私共の兄弟姉妹は幼少の時から貧乏の味を嘗(な)め尽(つく)して...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...無能、無智、不器用、そのやうな周子に、嘗て彼は、安易な組みし安さを持つてゐたのだが、それに無神経な露骨な自我を加へたこの頃の彼女には、辟易せずには居られなくなつた...
牧野信一 「「悪」の同意語」
...嘗て在りし者の知識及び認識としてではない...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...嘗て森田思軒の引用する所となつて...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...評者たる我が嘗て早稻田文學の沒却理想論中に於いて...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...自分の電報を窓口に置いて切手を嘗(な)めてトントンと叩き付けて差出した...
夢野久作 「人間レコード」
...熱心に薬を嘗めたかどうか疑わしいからである...
和辻哲郎 「孔子」
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