...」田宮は唇を嘗(な)めまわしては...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...それから……」譚は上脣(うわくちびる)を嘗(な)めながら...
芥川龍之介 「湖南の扇」
...従(したが)って私(わたくし)どもは生前(せいぜん)に随分(ずいぶん)数々(かずかず)の苦労(くろう)辛酸(しんさん)を嘗(な)めました……...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...嘗て優れたる人は...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...それは嘗て正造が「宛然松島です」といった二十九年頃の比ではなかった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...私が嘗て自ら守旧派と号したのも必((ママ))竟は此の浮薄なる趨向に反対し...
高浜虚子 「進むべき俳句の道」
...言ふに言はれない艱難を嘗めた話などを父親はした...
田山花袋 「道綱の母」
...これまでに嘗てないことでした...
豊島与志雄 「画舫」
...種田は嘗(かつ)て其家に下女奉公に来た女すみ子と偶然電車の中で邂逅(かいこう)し...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...嘗て大阪大學に助教授となられてから幾年もたゝず...
長岡半太郎 「湯川博士の受賞を祝す」
...おつぎは砂糖(さたう)の附(つ)いた自分(じぶん)の手(て)を嘗(な)めた...
長塚節 「土」
...私は呆(ぼ)んやり油のついた掌(てのひら)を嘗(な)めていた...
林芙美子 「風琴と魚の町」
...これ以上金になった時代も嘗つてなかったと書いているが...
久生十蘭 「だいこん」
...萩原朔太郎さんが嘗つて僕にかう云つたことがある...
堀辰雄 「「貝の穴に河童がゐる」」
...嘗(かつ)て私はそれについて『文芸春秋』に随筆めいたものを書いたことがある...
三木清 「西田先生のことども」
...時間に就いて嘗て恐らく最も深き思索をめぐらしたアウグスティヌスは語る...
三木清 「歴史哲學」
...「思嘗謂...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...自己の嘗ての經驗を思ひ出し...
吉江喬松 「山岳美觀」
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