...私は嘗て或る卒業式に列した...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...私は嘗て過ち得るやうには思はれないから...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...自分が指を持って行くと舌で嘗(な)め回す...
寺田寅彦 「柿の種」
...吾人(ごじん)は嘗(かつ)て上野動物園鉄檻中の虎を見る毎に...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...* * * * *余嘗(かつ)て維新革命前の故老を訪い...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...けれど、彼と彼女との間には、未だ嘗て、結婚のことは固より、愛情のことも語られませんでした...
豊島与志雄 「乾杯」
...遠征隊を組織して出る程あつて彼等は家に在つても勞働が激しいとのことで其角見の濱から出たといふ一人に嘗て聞く所によれば女が十六になつて六斗の米俵が背負ひなければ仲間に交際が出來ぬ程恥かしいとしてある...
長塚節 「彌彦山」
...八か」「錢形の親分が幻の民五郎に嘗(な)められだつて巣鴨中の評判だぜ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...長い舌でペロリと上唇(うわくちびる)を嘗(な)めました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...どんな苦杯を嘗(な)めて来たでしょう! それも何のためでしょう? みんな...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...それは嘗つてドゥイノにおいてさうであつたやうに...
堀辰雄 「リルケ年譜」
...嘗て St. Jeorge の楯に圧し潰ぶされた筈の“Burning Dragon”“Black King”“Giant Blanderon”などゝいふ巨大な怪物が再び勢ひを盛り返して押し寄せて来るのではないか……...
牧野信一 「円卓子での話」
...自今と雖も若し嘗て余の行為にして彼女をいさゝかなりとも苦しましめしものありとせば...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...徳さんは嘗て「正弘公懐旧紀事」を閲(けみ)して...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...然るに嘗て曾能子刀自に聞く所にして全く棄つるに忍びざるものが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかも新嘗の「新」の字を...
柳田国男 「海上の道」
...まだ一度も生血(いきち)を嘗めず...
與謝野寛 「南洋館」
...稀レニ良薬ヲウケテ嘗(ナ)メズ...
吉川英治 「親鸞」
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