...魂の哀切なる呻(うめ)きが聞こえる...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...一つは哀切な運命悲劇の醍醐味もあるだろう...
辰野隆 「感傷主義」
...山の方で鳶がしきりに鳴く、哀切な声だ...
種田山頭火 「其中日記」
...訪へる神母はその愛兒、パトロクロスの傍に伏して號慟切なるを認む、同僚亦ともに 5あたりに泣けり、端嚴の神女その時近寄りて、彼の手を取り、翼ある言句を陳じ彼に曰ふ、『愛兒よ、悲哀切なるも、彼の伏すまゝ打すてよ、その初より神明の意により彼は討たれたり、いざ人界の子が未だ肩に荷ひしことのなき、 10華麗の鎧收め取れ、ヘープァイストスの贈物...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...或る哀切な弱々しさが加わり...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...シューベルトの菩堤樹を歌ってるフィロメールの哀切な熱烈な美声に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...哀切な感情をかきたてます...
豊島与志雄 「肉体」
...美しい哀切なものとなりました...
豊島与志雄 「白塔の歌」
...彼の魂の哀切なノスタルジア...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...魂の哀切な追懐であり...
萩原朔太郎 「郷愁の詩人 与謝蕪村」
...「おじさん」と鋭い哀切な声で私は呼びとめられていた...
原民喜 「夏の花」
...その叫びごゑには、何か哀切な、帛(きぬ)をさくやうな、さしせまつた、異常な恐怖を訴へる、誰れにともない救急の呼びごゑのやうな節も感ぜられたし、かと思ふと、そこの入江にのぞんで建つてゐる料亭の広間で、したたかに酔つ払つたひと組の連中が、何かしら胴間ごゑを張り上げてふざけ散らしてゐる、意味もないたは言のやうにもききなされる節があつた...
三好達治 「海辺の窓」
...帛をさくやうなあの哀切な余韻...
三好達治 「海辺の窓」
...どこか鋭い哀切な調子でうたっていた...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...どうぞ早く」「だがその人数に東寿独りでは」「先生」東寿の声はなんとも云いようのない哀切な響をもって大弐を制した...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...私だけを待っている大勢の見物に」哀切なことばで...
吉川英治 「江戸三国志」
...いかにも哀切な調子だった...
吉川英治 「三国志」
...音は尺八に似てさらに哀切なるものである...
吉田絃二郎 「八月の霧島」
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