...「和子様っ」と、上から、抱くと、寛之助は、身体を、がたがた顫わせて、しっかりと抱きついた...
直木三十五 「南国太平記」
...しかしその侍女は先日お産み申した和子様と共に...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...和子様は懐にでもお抱きになって――ようございますか和子様も」彼女の心はもう呉の空へ飛んでいる...
吉川英治 「三国志」
...また小さい和子様たち...
吉川英治 「新書太閤記」
...……ささ、和子様、もうお泣きあそばすな」と、侍従介は泣きじゃくる十八公麿(まつまろ)をなだめながら、手の泥や衣服の塵を払って、「お母(はは)様も、叔父様も、乳母も和子様のおすがたが見えぬとて、どんなに、お探し申しているかしれませぬ...
吉川英治 「親鸞」
...和子様がっ」於久里は...
吉川英治 「親鸞」
...「和子様がもどった」「和子様」「和子様」館(やかた)のうちにつたわる狂喜の声が...
吉川英治 「親鸞」
...和子様のは、世間のいたずら童(わっぱ)が、飛びまわるのとは違いまする」「でも、こういう時には」「ごもっともです...
吉川英治 「親鸞」
...けれど、介(すけ)のぞんじますには、おそらく、和子様は、お父君のお病気(いたつき)に、小さな胸をおいためあそばして、それを、お祈りしていたのではないかと思われます」「ほ……どうして?」「介が、諸方をお探しして行きますと、いつか、和子様をおぶって粘土(こねつち)を取りに参りました丘の蔭にこう、坐っておいであそばしました」介は、庭へ坐って、十八公麿(まつまろ)がしていたとおりに真似(まね)をして合掌した...
吉川英治 「親鸞」
...と――また、「和子様、ここですよ」「? ……」十八公麿はふりかえって、じいっと、厩牢(うまやろう)の中にみえる人間の影をふしぎそうに見つめていたが、やがて、怖々(こわごわ)と寄って行って、「おまえは、誰?」「わたくしは、お館にしのび込んで捕まった曲者(くせもの)ですよ」「曲者さん?」「名まえではありません、いわゆる曲者です...
吉川英治 「親鸞」
...それは煩悩(ぼんのう)と申すものですから諦(あきら)めています」「…………」「和子様...
吉川英治 「親鸞」
...和子様でもお分りになるでしょう...
吉川英治 「親鸞」
...和子様はどうお思いあそばすか」「…………」十八公麿は...
吉川英治 「親鸞」
...和子様のお父上に迷惑がかかると思うと...
吉川英治 「親鸞」
...「介(すけ)、あの悪童が、張本(ちょうぼん)じゃ、和子様のため、何とかせねばいかぬ」「うむ、懲(こ)らしてくれたいとは思うが」「一つ、この拳固(こぶし)を、馳走してやろうか」「よせよせ」箭四郎が、しきりと逸(はや)るのを、介はあぶながった...
吉川英治 「親鸞」
...そして思わず、「やはり、和子様にも、どこかに、源氏武者の血があるとみえる」と、つぶやいた...
吉川英治 「親鸞」
...彼女は、涙をながして、良人の浦人が、もう世にないことを語って、「やがて、和子様が、都の空からおもどりになったら、そっと、これをお見せ申しあげろというて、あの人は、息をひきとりました...
吉川英治 「平の将門」
...(――この和子様をこそ傅(も)り育てて)と...
吉川英治 「源頼朝」
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