...彼の態度には反撥を感じる...
...友達を応援する言葉に反撥が生じる...
...彼女の発言に対し、反撥を覚えた...
...社会の不条理に対する反撥が若者たちに見られる...
...彼のアイデアには反撥がなく、みんなが賛同した...
...その激越なる口調に当時の流行に対しいかに私が反撥心を持ったかがわかる...
岩波茂雄 「岩波文庫論」
...反撥して自分の正当さを確かめ得るだろう...
梅崎春生 「日の果て」
...ある種の反撥性を蔵してゐる...
大手拓次 「「香水の表情」に就いて」
...いや、そういう君の上品ぶりの古陋頑迷(ころうがんめい)、それから各々ひらき直って、いったい君の小説――云云と、おたがいの腹の底のどこかしらで、ゆるせぬ反撥、しのびがたき敵意、あの小説は、なんだい、とてんから認めていなかったのだから、うまく折合う道理はなし、或る日、地平は、かれの家の裏庭に、かねて栽培のトマト、ことのほか赤く粒も大なるもの二十個あまり、風呂敷に包めるを、わが玄関の式台に、どさんと投げつけるが如くに置いて、風呂敷かえしたまえ、ほかの家へ持って行く途中なのだが、重くていやだから、ここへ置いて行く、トマト、いやだろう、風呂敷かえせ、とてれくさがって不機嫌になり、面伏せたまま、私の二階の部屋へ、どんどん足音たかくあがっていって、私も、すこしむっとなり、階段のぼる彼のうしろ姿に、ほかへ持って行くものを、ここへ置かずともいい、僕はトマト、好きじゃないんだ、こんなトマトなどにうつつを抜かしていやがるから、ろくな小説もできない、など有り合せの悪口を二つ三つ浴びせてやったが、地平おのれのぶざまに、身も世もなきほど恥じらい、その日は、将棋をしても、指角力(ゆびずもう)しても、すこぶるまごつき、全くなっていなかった...
太宰治 「喝采」
...反撥(はんぱつ)を感じていたのであったが...
谷崎潤一郎 「鍵」
...かえって庸三に反撥心(はんぱつしん)を煽(あお)った...
徳田秋声 「仮装人物」
...――だが弁証法的論理学は決して形式論理学と互角に相反撥するのではない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...却って反撥的に出て...
豊島与志雄 「反抗」
...現代生活自体が詩に反撥する所のものを有してゐるので詩が不振とならば...
中原中也 「詩と其の伝統」
...今までの牽引力(けんいんりょく)がたちまち反撥性(はんぱつせい)に変化する...
夏目漱石 「明暗」
...自分は戀人と接觸せんとして反撥される...
萩原朔太郎 「散文詩・詩的散文」
...男性的で反撥(はんぱつ)の力に強く...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...反撥する肌のにおいを感じていた...
本庄陸男 「石狩川」
...習俗に対して深い反撥を感じていた時...
宮本百合子 「「或る女」についてのノート」
...「食べることの方が忙しい」と反撥する気分を...
宮本百合子 「現実に立って」
...このひと言に思いがけず紀久子の心が反撥した...
矢田津世子 「父」
...そこには反撥があると人は云うでしょうが...
柳宗悦 「民藝とは何か」
...郁次郎の反撥のない腕を...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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