...恋慕三昧(れんぼざんまい)に耽って御出でになりました...
芥川龍之介 「邪宗門」
...市民は誰れ憚(はばか)らず思うさまの生活に耽(ふけ)っていたが...
有島武郎 「クララの出家」
...彼は深い物思いに耽りながら言った...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...自分の耽溺の記念に接しているのだ...
岩野泡鳴 「耽溺」
...乙教師は恋愛問題の創作に耽ったが為に...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...五彼は船着の石段に腰かけながら独り物思いに耽っていたが...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...時々花などに託(かこつ)けて耽(ふけ)っている...
徳田秋声 「爛」
...長だった者からも監視を加えるからさほど遊蕩に耽ける者はなかった...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...あるひは両肱(りょうひじ)を膝の上につき書物の上にその顔を近寄せ物読み耽(ふけ)りたる...
永井荷風 「江戸芸術論」
...私はぼうつとして何かに興味を持つて来ると先から先へと迷想に耽つて畢ふことが度々であつた...
長塚節 「隣室の客」
...濃い「モツカ」を飮みながら心ゆく談話に耽つたのは...
濱田耕作 「埃及雜記」
...たとい酒色に耽(ふけ)り放蕩を尽くすも自由自在なるべきに似たれども...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...薙刀や仕舞や書に耽つたが...
牧野信一 「淡雪」
...雛に関する愉快な思ひ出に耽らうとしたのだつた...
牧野信一 「冬の風鈴」
...涯しもない夢に耽りました...
牧野信一 「ランプの便り」
...人に語るすべもない物思ひに耽つてゐることが多い...
三好達治 「海辺の窓」
...もの思いに耽(ふけ)っていたが...
山本周五郎 「竹柏記」
...負けず嫌ひの虚榮心に富んだ感情的のものであるだけ内心では種々(いろ/\)と思ひ耽ることが多い...
若山牧水 「一家」
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