...万全の勢威を外に布くの実力を有し...
石川啄木 「渋民村より」
...同級生たちの間でいささか勢威を逞(たくま)しゅうしていたところがあったようで...
太宰治 「やんぬる哉」
...負ければその反対に人望が薄らぎ勢威が弱められ...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...一つの権家が或る時期になるとその勢威を維持することのできないような失政をしたからであって...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...「豪勢威勢のええ女(あま)っちょだなあ...
豊島与志雄 「月明」
...異常な裏面的関係で、勢威を張り、利得をむさぼっていただけに、一朝、土台がゆるげば、もはやそれまで、積み重ねた瓦が崩れるように、ガラガラと滅亡してゆく外はないのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...北条の勢威は、しきりに近境の里見、佐竹などの小国を脅(おびや)かし、いまはその圧迫にたえない状態にあるが、管領の上杉憲政に訴えても、すでにそれを抑(おさ)える実力もないし、放置しておけば、ついに乱は上州一円にも及んで、管領家の自立すら危うく思われ出したための悲鳴であった...
吉川英治 「上杉謙信」
...海上でも堂々とその勢威を示し出した...
吉川英治 「黒田如水」
...行装の綺羅(きら)と勢威を内外に誇り示した...
吉川英治 「三国志」
...日にまし勢威を加えているともある...
吉川英治 「私本太平記」
...九州における菊池党の位置もここへきてすばらしい勢威を増していた...
吉川英治 「私本太平記」
...その勢威を駆(か)ッて...
吉川英治 「私本太平記」
...貧しい弱小からやっと近年勢威を示し出した徳川殿などへ...
吉川英治 「新書太閤記」
...勢威だけを受ける気でいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...いまや禁門城(べんじょう)における勢威第一の寵臣は誰なりやといえば...
吉川英治 「新・水滸伝」
...その版図(はんと)は、さきにあげた諸郡のうちの四郡にわたり、武族としても、勢威、国内を圧するという一族である...
吉川英治 「平の将門」
...坂東の将門は、皇位を僭称し、みずから、いる所を、王城に擬(ぎ)し、左右の大臣を任命したり、一夜拵(ごしら)えの文官武官に、勝手な除目を与えて、その勢威は、ほんとうの天子のようだという噂が、都じゅうに拡がった...
吉川英治 「平の将門」
...自らの経済力と武力とをもって独立の勢威をふるった...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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