...紋の丸は、色も青麦である...
泉鏡花 「薄紅梅」
...馬の沓形(くつがた)の畠やや中窪(なかくぼ)なのが一面、青麦に菜を添え、紫雲英を畔(くろ)に敷いている...
泉鏡花 「瓜の涙」
...青麦の畠になって...
泉鏡花 「瓜の涙」
...青麦を走る汽車風景で・風がつよすぎる生れたばかりのとんぼ・山ふところわく水のあればまいまい四月十五日曇...
種田山頭火 「其中日記」
...桃の花、菜の花、青麦、――日本は美しい!丹那トンネル、暗い音がつゞく...
種田山頭火 「旅日記」
...・青麦ひろ/″\ひらけるこゝろ業平塚・はこべ花さく旅のある日のすなほにも枯草にかすかな風がある旅で無量寿寺くもりおそく落ちる椿の白や赤や明治用水々源池さくらがちれば酒がこぼれます緋桃白桃お嫁さんに逢ふ依佐美無電局花ぐもりの無電塔はがつちりとして四月十七日曇...
種田山頭火 「旅日記」
...邪魔(じゃま)になる部分はドシ/\青麦をぬいてしまい...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...最早(もう)穂(ほ)を孕(はら)んだ青麦(あおむぎ)が夕風にそよぐ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...来た路は青麦の中から出る...
夏目漱石 「虞美人草」
...行く路は青麦のなかに入る...
夏目漱石 「虞美人草」
......
野口雨情 「未刊童謡」
...青麦のそろった畑道(はたみち)を歩いた...
林芙美子 「魚の序文」
...あきらめて広津和郎の「青麦」読み出す...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...風船にひつぱられて 小鳥は中空たかくのぼつていつた風船はくるめく日傘をまはし あたたかな銀の雨を降らした小鳥はむしやうにうれしくなり 力いつぱいそのすずを鳴らしたそれにしても風船にのれない重たい心――ぼくは丘のクツサンの中でじたばたするあばらに生えた青麦の芽をむしりながら...
森川義信 「春」
...しかし時侯のよい春の末、山には藤躑躅、畠には青麦菜種、紫雲英が咲き雲雀の高く揚がる頃が殊に楽しかつた...
柳田國男 「祭のさまざま」
...シービビというのは青麦の茎を折って...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...兵食の資(たすけ)に当てようと考えるにちがいない」「隴西の青麦は莫大な量です...
吉川英治 「三国志」
...青麦を刈って鹵城(ろじょう)へ運送していた者だという...
吉川英治 「三国志」
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