...彼は元々赤外線男などという不思議な生物があるとは信じていなかった...
海野十三 「赤外線男」
...私は元々坐っていたのであるが...
海野十三 「蠅」
...勿論(もちろん)元々独断ではあるが...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...元々向うの好意から出たのだから...
豊島与志雄 「反抗」
...元々自分の不覚から起った事と信じ切って居るだけに...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...元々足りなくて借りた金だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...元々で売つてたことがあつたが...
林芙美子 「朝夕」
...たとえば要求は通ったけれど、あとで気をゆるめたために、毎航海毎航海、一人(ひとり)ずつ下船させられたなんてことになると、二、三航海のうちに、また元々どおり、ほかの人間は搾(しぼ)られるし、僕らだってばかを見なけれやならないからね、争議は、その時も大切には相違ないが、跡始末がもっと大切なんだからね」藤原は、彼の苦い経験を思い起こした...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...それは私の元々の意志ではなかつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...レスブリッジは元々向こう見ずなたちで...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...現に、一日市で通っている駅名も、元々、この町の名で呼び慣らされていたものだったけれども、いつのまにか奪取(とら)れてしまっていた...
矢田津世子 「凍雲」
...元々、畫を描くといふ性能は、人間の誰でもが生れた時から持つてゐるものだといふ事である...
吉川英治 「折々の記」
...飽くまで玄蕃を匿い立て致す時には何とするな」「元々この重蔵は...
吉川英治 「剣難女難」
...正成は元々彼の素朴を愛していたからべつに咎(とが)めるふうでなく...
吉川英治 「私本太平記」
...元々、ここにあった三種の神器は偽物と知れているので、扱いもぞんざいをきわめ、駕輿丁(かよちょう)の小者や武士らが鳳輦(ほうれん)で無造作にかついで行った――と公賢自身の日記にも書かれている...
吉川英治 「私本太平記」
...三名とも、各、旅商人(たびあきゅうど)に身を窶(やつ)していたが、その容貌までを変えるため、母里太兵衛は、片鬢(かたびん)の毛を、焼ごてで焼いて、わざと大きな禿(はげ)をつくっていたし、栗山善助は前歯を数本欠き、井上九郎は、元々、片眼を戦場でつぶしていた勇士だが、そのうえに、面に焼きあばたを作って、ふた眼と見られない顔をしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...元々浅からぬ旧縁の仲だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...(人の品物を、怪(け)しからぬ奴(やつ))腹を立ててみたものの、元々、こっちの悪戯事(いたずらごと)で、この家(や)に、責任を問う筋目はない、また、それほど大事な品物とも、彼女は考えていないのだった...
吉川英治 「松のや露八」
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