...肺が元々悪いのですから...
海野十三 「空襲下の日本」
...評論が創作でないというのが元々変な云い方だが...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...その代り元々兄弟同様の間柄だから...
夏目漱石 「道草」
...斯(こ)うなられた元々を訊きたいと仰(おっ)しゃるか」高塚蔵人の声は不気味なほど静かです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...では元々さういふ温顔なのかと想ふと大違ひで...
牧野信一 「鬼涙村」
...元々、目明しや捕手などは、武芸をほこる武芸者ではありませんから、どう穢(きたな)い逃げ方をしようが、逆トンボを打とうが、要は、怪我(けが)をしないに限ります...
吉川英治 「江戸三国志」
...元々になるじゃねえか...
吉川英治 「江戸三国志」
...また中川清秀は元々...
吉川英治 「黒田如水」
...元々、彼としては、北支四州に満足はしていない...
吉川英治 「三国志」
...君ト漢中王トハ、養父子ノ間ニナッテイルガ、元々、君ハ羅侯子(ラコウシ)ノ子デアル...
吉川英治 「三国志」
...元々は一院の尼寺に附属して尼衆や後家ばかりの住んでいる所だったが...
吉川英治 「私本太平記」
...彼らは即日、附近の山林を伐(ばっ)さいして、丸木小屋をつくり、長屋をこしらえ、そして元々、こんどの鎌倉参戦は、新田殿のためにあらず、足利殿のために働いたものであると、口にも出して、千寿王一辺倒にかたむいて臣事しはじめるふうなのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...……それになぜまたお辺は、直々(じきじき)、六角の法印邸へまいって、その人と会わず、ここへ相談にみえたのか」「法印どのも、よう存じあげてはおりますが、しかし元々は、ご当家を介しておちかづきを得たものゆえ、まずはご内意を伺ってからと存じまして」「ほ...
吉川英治 「私本太平記」
...――そして元々の大内山は大内裏造営工事の工もいまだ半ばのままで...
吉川英治 「私本太平記」
...和議のことは、元々、後月(あとげつ)の末頃から、御当家よりはなしを進めさせたもので、秀吉から云って来たものではなし、その秀吉も、神ならぬ身の、何で京都の兇変(きょうへん)を、事前に知って計ることができよう」これは小早川隆景の言であり、それに同意していないのは、この際、秀吉を討たずにおいてどうするものかと、熱心に輝元へ説(と)いている吉川元春であった...
吉川英治 「新書太閤記」
...元々浅からぬ旧縁の仲だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...どうにもならん」「いや元々...
吉川英治 「新・水滸伝」
...だが元々、藩士の性骨(しょうぼね)は、この五穀(こく)豊饒(ほうじょう)で風光のもの和(やわ)らかな瀬戸内の潮風や中国の土だけに出来上ったものじゃない...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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