...そつと元々どほり蓋をして...
薄田泣菫 「茶話」
...元々こちらがそんな時代に無鉄砲に遠道を歩いて来たのが悪いのだから仕方がない...
田中英光 「箱根の山」
...元々認識の妥当性・論理性・から引き出された...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...元々開化が甲の波から乙の波へ移るのはすでに甲は飽(あ)いていたたまれないから内部欲求の必要上ずるりと新らしい一波を開展するので甲の波の好所も悪所も酸いも甘いも甞(な)め尽した上にようやく一生面を開いたと云って宜(よろ)しい...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...よしんば自分の望通りにならなくったって元々で損は行かないのだから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...元々博士の持家で...
野村胡堂 「音波の殺人」
...斯(こ)うなられた元々を訊きたいと仰(おっ)しゃるか」高塚蔵人の声は不気味なほど静かです...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...六分で元々の計算...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...元々は紫色と銀色だった魚の体は...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...体(たい)を前に出す為にしか動いておらぬ」「元々...
吉川英治 「江戸三国志」
...「げにも冥加にあまる御諚(ごじょう)、有無(うむ)なく、おうけ申しあげるべきでございましょうが、元々、さしたる力は持たず能(のう)もなき正成...
吉川英治 「私本太平記」
...商論はぞんじません」「元々...
吉川英治 「私本太平記」
...ただの御家臣ならごまかされようが、おれは元々、六波羅の放免頭(ほうめんがしら)もしたほどな男だ...
吉川英治 「私本太平記」
...わしは元々そうあって欲しかったのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...元々この藤吉郎が...
吉川英治 「新書太閤記」
...三名とも、各、旅商人(たびあきゅうど)に身を窶(やつ)していたが、その容貌までを変えるため、母里太兵衛は、片鬢(かたびん)の毛を、焼ごてで焼いて、わざと大きな禿(はげ)をつくっていたし、栗山善助は前歯を数本欠き、井上九郎は、元々、片眼を戦場でつぶしていた勇士だが、そのうえに、面に焼きあばたを作って、ふた眼と見られない顔をしていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...まして、かつては、元々、豊田領であった土地が多く、人もまた、良持に縁故の輩(ともがら)が多かったのであるから、その帰属は、自然な作用であるといえなくもない...
吉川英治 「平の将門」
...――元々、わたくしのわがままもあったことと」「では、眼がさめて、前非を悔い元のように、本位田家の嫁として戻りたいというか」「いえ、いえ」「では、何しにここへ」「ただ、ばば様が、お可哀そうでなりませぬゆえ」「それを恩に着せて、以前のことは水に流せといやるか」「…………」「頼むまい...
吉川英治 「宮本武蔵」
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