...半數だけ(それが現今では僅かに三十戸)が北海道開拓の祖である...
岩野泡鳴 「日高十勝の記憶」
...かの女は僅かにからだを踏みこたへた――「お願ひだから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...僅かに残る幾日かの生への執着(しゅうちゃく)を能うるかぎり貪(むさぼ)りつくしたいと考えたからだった...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...その向うには墓地の続きになった所に建った大きな建物の簷(のき)が僅かに見えていた...
田中貢太郎 「変災序記」
...二三指に僅かにその痕を残しているに過ぎない...
外村繁 「澪標」
...当時僅かに超然内閣の名義によりて一時を糊塗したるに止まり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...彼れの根拠は現在僅かに少数の関東派あるのみ彼れ豈之れを恃て有力の政党を組織するを得むや或は彼れを以て専ら力を自由派の扶植に致し...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...僅かに魯なり齊なりに猶その禮が遺つて居つたといふ意味であるといふことを言つて居ります...
内藤湖南 「支那歴史的思想の起源」
...小栗は僅かに二千八百石の旗本に過ぎないことと...
中里介山 「大菩薩峠」
...高さは僅かに四六〇メートル...
野上豐一郎 「キフホイザー」
...ガラツ八の手が僅かに顏を包んだ手拭に掛ります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...塀の外の道は僅かに一間足らず...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僅かに庇(ひさし)に覗かせた銅瓦(どうがはら)の贅(ぜい)も...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僅かに聲變りの響を留めてをります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...僅かに私たちの中に前夜の私たちを蘇らせた...
堀辰雄 「燃ゆる頬」
...僅かに機械蕎麦位で我慢をして来たのであります...
村井政善 「蕎麦の味と食い方問題」
...僅かに判(わか)るのはテダは日輪(にちりん)のことだが...
柳田国男 「海上の道」
...僅かにあけた雨戸の隙間に眺めながら...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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