...その唯一(ゆゐいち)の大(おほ)株主たるジユウル・ルナアルが持株すら僅々(きんきん)四株に過ぎざりしとぞ...
芥川龍之介 「骨董羹」
...或は又既に公(おほやけ)にしたのは僅々三合の俳諧に過ぎぬ...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...僅々十七字の活殺の中に「言葉の音楽」をも伝へることは大力量の人を待たなければならぬ...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...◎不信任案は僅々九票の差なりしとは云へ兎も角も政府黨の勝利に歸して否決となり西園寺内閣の運命は茲に強固なる基礎に置かれし如くなるも曩に總辭職の噂傳へられて其一角既に崩落し二十三日の議會に於ては現内閣成立當時の原則たる山西兩系の政治的均勢明白に破壞され...
石川啄木 「雲間寸觀」
...僅々(きんきん)二三十秒の惶(あわただ)しい出来事であった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...僅々數年の間にそれを成就したのである...
堺利彦訳 幸徳秋水訳 「共産黨宣言」
...僅々數日にてきづきあげたるにて...
大町桂月 「石田堤」
...普通の人間では僅々数年の間にすべてのことを洩らさず修業を積むということ...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...僅々三百五十頁のこの小冊子に於て...
高木敏雄 「比較神話学」
...今この列車の停っている位置は甲南女学校を東北に距(へだた)ること僅々(きんきん)半丁程の地点であることは明かであり...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それを僅々(きんきん)数時間あるいはむしろ数分間の調査の結果から...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...自由貿易主義と蒸気機関とは雲竜相逐うの勢いをなし、一の必要は一の発明を生じ、一の発明はさらに一の必要を生じ、進歩より進歩に進み、発明より発明に移り、僅々たる五十年、これらの大作用は実に突兀(とっこつ)として一の新世界を宇宙に湧出(ようしゅつ)したり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...僅々三十日足らずの間に稿を脱したる次第なりと言う...
福沢諭吉 「新女大学」
...すなわち我邦の竹の如(ごと)きその普通に花を出す者は実に僅々の種類にして...
牧野富太郎 「植物記」
...源之助の方は僅々数年ののち公園みくに座で上演した「仮名屋小梅」が最早余りにも老来の姿に...
正岡容 「異版 浅草燈籠」
...すなわち僅々(きんきん)数十種の物体を十数通りに変形させたのが今日の紋である...
柳田國男 「名字の話」
...僅々(きんきん)四箇月間の実験を行われました後(のち)...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...僅々五十年の間に...
横光利一 「我等と日本」
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