...――たとえばスコラ学派の奇妙な空想を見ただけでも分ることである――そうしてこれが科学的の考察方法に与えた深い影響は実に僅々数十年前までも一般に支配していたのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...僅々一二銭の餌を買へば...
石井研堂 「研堂釣規」
...しかし僅々三十年後にはなお...
石原莞爾 「最終戦争論」
...明治二十二年の統計表に依れば全国において途上発病または饑餓にて死せしものは僅々(きんきん)千四百七十二人なり(消化器病にて死せしものは二十万五千余人なり)...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...僅々数日の後再び聞くも恐ろしい大犯罪を企てたが...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...僅々數日にてきづきあげたるにて...
大町桂月 「石田堤」
...路程は僅々十數町...
大町桂月 「夜の高尾山」
...スペインのモロッコ戦争およびその他の小事をもってせばこの僅々五十年間に戦死したる者けだし三百万人に下らざるなり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...「……折悪(をりあし)く局中病人多く、僅々三十人、二ヶ所の屯所に分れ、一ヶ所、土方歳三を頭として遣はし、人数多く候処、其方には居り合ひ申さず、下拙(げせつ)僅々人数引連れ出で、出口を固めさせ、打入り候もの、拙者初め沖田、永倉、藤堂、倅(せがれ)周平、右五人に御座候、かねて徒党の多勢を相手に火花を散らして一時余の間、戦闘に及び候処、永倉新八郎の刀は折れ、沖田総司刀の帽子折れ、藤堂平助の刀は刃切(はぎれ)出でささらの如く、倅周平は槍をきり折られ、下拙刀は虎徹故にや無事に御座候……」「なるほど」「実にこれまで度々戦ひ候へ共、二合と戦ひ候者は稀に覚え候へ共、今度の敵多勢とは申しながら孰(いづ)れも万夫不当の勇士、誠にあやふき命を助かり申候、先づは御安心下さるべく候……」「なるほど」米友はしきりに感心して、近藤勇がはるばる京都から、江戸にいる養父周斎の許(もと)へ宛てたという手紙のうつしを、読んでもらって聞いてしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...僅々十秒位の間の出来事であったろう...
中島敦 「虎狩」
...長い物じゃないでしょう」「僅々六十余字さ」と苦沙弥先生いよいよ手製の名文を読み始める...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...僅々十哩? 程度の距離であるが...
牧野信一 「熱海線私語」
...すなわち我邦の竹の如(ごと)きその普通に花を出す者は実に僅々の種類にして...
牧野富太郎 「植物記」
...其の中負け角力は僅々十一回であつて...
三木貞一 「初代谷風梶之助」
...これがため僅々数年間に五万人死せりとは大層な話ながらかかる話の行わるるを見て如何(いか)に虎害が支那に繁かりしかを察せらるる...
南方熊楠 「十二支考」
...東洋には上述の僅々小人がこれを冒して...
南方熊楠 「十二支考」
...僅々存九之余香爾...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...僅々十円乃至七円でも受け合われるという...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
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