...――たとえばスコラ学派の奇妙な空想を見ただけでも分ることである――そうしてこれが科学的の考察方法に与えた深い影響は実に僅々数十年前までも一般に支配していたのである...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...僅々一二銭の餌を買へば...
石井研堂 「研堂釣規」
...我等の過去は僅々六千載に過ぎぬが...
石川啄木 「葬列」
...或は事實に於ては僅々十指に滿たざる書籍の發賣を禁止されたるに過ぎざれども...
石川啄木 「無題」
...僅々数年を出でずといえども...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...もし僅々(きん/\)二倍位(にばいぐらゐ)にしか搖(ゆ)れないならば...
今村明恒 「地震の話」
...舟の中に横たえてからの、僅々十数分間に、何者とも知れず、魔法使の様な人殺しをやってのけたのだ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...僅々二里かそこらにてすむやうになれり...
大町桂月 「春の郊外」
...さて出来上がった数百斤のラスクを店頭に出した成績はというと、非常な歓迎を受け、僅々二、三時間で全部売り切れとなった...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...僅々六七十円の俸給に甘んじていなくてはならぬのであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...それが僅々数年の後に...
谷崎潤一郎 「大切な雰囲気」
...さりながら僅々二十餘名の代議士を有する眇たる一小黨は...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...合計 八十五日三ヶ年一千有餘日の中に就きて日記に上ぼれるもの僅々百九十日に過きず...
原勝郎 「吾妻鏡の性質及其史料としての價値」
...この企ては僅々三十分あまりで見事に達成された...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...僅々存九之余香爾...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...僅々(きんきん)四箇月間の実験を行われました後(のち)...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...尤も、藩主戸田大炊頭忠文(おおいのかみただふみ)その人からして、僅々一万一千石、ずいぶん貧窮な大名だった...
吉川英治 「田崎草雲とその子」
...前社同樣二十五圓の月給をば二箇月分か貰つたが出社して事務をとつたのは僅々五六日であつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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