...偸盗(ちゅうとう)...
泉鏡花 「薄紅梅」
...他の力を当てにして一日の偸安(とうあん)を計るということが一番畏(おそ)るべしだ...
大隈重信 「日支親善策如何」
...人目を偸(ぬす)んでこっそりと喫っていたのは気の毒でした...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...久し振に女房の眼を偸(ぬす)んで...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...葉子は階段の降り口を偸(ぬす)むようにして...
徳田秋声 「仮装人物」
...そして現在の偸安をのみ事としていた...
豊島与志雄 「理想の女」
...偸見(ぬすみみ)すると...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...死に切れずに息を偸(ぬす)んで生きていると想像した...
夏目漱石 「それから」
...偸(ぬす)み来た香(かお)りと思われる...
夏目漱石 「野分」
...上眼使いでオドオドと真名古の顔を偸視(ぬすみみ)するようになった...
久生十蘭 「魔都」
...あたかも禁断の果実の味をこっそり偸(ぬす)みでもするように味わおうと試みたので...
堀辰雄 「風立ちぬ」
...あれは偸安という意味からだけではなかったのでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...時代はその中間において鼠(ねずみ)いろの生を偸(ぬす)むことを容(ゆる)さなかった...
森鴎外 「渋江抽斎」
...その忙(せわ)しない寸閑(すんかん)を偸(ぬす)んでは...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...案外もろくポロリとおれに落ちてくるかもしれないわえ……」ひそかに伽羅(きゃら)の薫(かお)りを偸(ぬす)み...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...家人の眼を偸んですることなので...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...ちらりと春日の横顔を偸見(ぬすみみ)た...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...主人の眼を偸んでは黒吉のごろごろしている荒物屋の二階にしばしば訪ねて来るのだった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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