...足音を偸(ぬす)むようにはいって来た...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...まるで中の容子(ようす)でも偸(ぬす)み聴いていたらしく...
芥川龍之介 「開化の良人」
...偸安(とうあん)の念か...
芥川龍之介 「芸術その他」
...王宮の美人を偸(ぬす)むために...
芥川龍之介 「俊寛」
...主人の目先きを偸んでは怠ける...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...盗賊どもが宮廷の引見式で貴族たちの頸から金剛石(ダイヤモンド)の十字架を切り偸んだこともあった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
... 250乃ち槍を携へてアガメムノーンの目を偸み...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...しかも倥偬(こうそう)の際に分陰(ふんいん)を偸(ぬす)んで記しつけたものと見えて大概の事は一句二句で弁じている...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...グレーの金魚を偸(ぬす)んだ猫くらいの資格は充分あると思う...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...貰わないね」「それでどうしました」「貰わないで偸(ぬす)んだ」「おやおや」「奴さん手拭(てぬぐい)をぶらさげて湯に出掛けたから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「偸盜」(大正六年)「地獄變」(大正七年)は出來損ひの作品だ...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...而(しか)して猴が他の諸猴の真似して偸(ぬす)んだ珠を佩び現われたところは上述赤帽の行商人の譚に近い...
南方熊楠 「十二支考」
...Sのお嬢さん的偸安とが結びつくことは警戒しなければならないのは確です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...夜間の僅(わず)かな時間を偸(ぬす)んで父母の目を避けながら私の読んだ書物は...
与謝野晶子 「鏡心灯語 抄」
...雨龍の眼を偸(ぬす)んで...
吉川英治 「剣難女難」
...この時勢に閑を偸(ぬす)むものなりと非難していたが...
吉川英治 「三国志」
...質(シチ)ノ母ヲ偸(ヌス)ミ...
吉川英治 「新書太閤記」
...偸(た)ち聞きしている...
吉川英治 「新・水滸伝」
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