...慌しい幸福を偸(ぬす)む事が出来た...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...表から襲った偸盗(ちゅうとう)の一群は...
芥川龍之介 「偸盗」
...とんと検非違使(けびいし)の眼を偸(ぬす)んで...
芥川龍之介 「竜」
...些(ちよい)と俯向加減にして立つてゐる智恵子の方を偸視(ぬす)んで...
石川啄木 「鳥影」
...そこで勢い他の力に頼って一日の安きを偸(たの)むようになる...
大隈重信 「日支親善策如何」
...その圓陣の中にいる例の娘を偸(ぬす)み見ることが出来たのであった...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...盗賊どもが宮廷の引見式で貴族たちの頸から金剛石(ダイヤモンド)の十字架を切り偸んだこともあった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...そつと行つて偸(ぬす)み出(だ)して来(き)た...
夏目漱石 「それから」
...又偸(ぬす)み出(だ)した...
夏目漱石 「それから」
...代助の顔を偸(ぬす)む様に見て行った...
夏目漱石 「それから」
...真事(まこと)を相手にビー珠(だま)を転がしていた小林が偸(ぬす)むようにしてこっちを見た...
夏目漱石 「明暗」
...御米の顔を偸(ぬす)み見た...
夏目漱石 「門」
...この間おさんの三馬(さんま)を偸(ぬす)んでこの返報をしてやってから...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...門より入り来りその銀を偸(ぬす)むを...
南方熊楠 「十二支考」
...輝いている顔を偸見(ぬすみみ)ながら云った...
宮本百合子 「刻々」
...あとさきを見計らつて偸(ぬす)むやうにこつこつと登つていらつしやいます...
室生犀星 「はるあはれ」
...そういう間にもお前には済まないと思いながらわたしはわたしの快楽を何かの隙間からも偸(ぬす)みたのしんで...
室生犀星 「みずうみ」
...取引所の業の隙を偸みて足を休むる商人などゝ臂を並べ...
森鴎外 「舞姫」
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