...足音を偸(ぬす)みながら...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...盗賊どもが宮廷の引見式で貴族たちの頸から金剛石(ダイヤモンド)の十字架を切り偸んだこともあった...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...姦淫も偸盗も殺人もしない...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...偸(ぬす)むように持ち出した洋杖が...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...時々別種の人間を偸(ぬす)み見るような好奇心をもって...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...グレーの金魚を偸(ぬす)んだ猫くらいの資格は充分あると思う...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...壯侠(わかもの)の顏を偸視る...
萩原朔太郎 「二十三夜」
...上眼使いに二人の方を偸視(ぬすみみ)ると...
久生十蘭 「魔都」
...マンマとその宝物(ほうもつ)の正味(しょうみ)を偸(ぬす)み取(とっ)て私の物にしたのは...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...この四十年の間にも初期は文事勉強の余暇を偸んで運動摂生したものが...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...その擬人法を用ゐたる者は手をついて歌申し上ぐる蛙かな 宗鑑いやめなる子供産み置けほとゝぎす 同花の香を偸(ぬす)みて走る嵐かな 同青柳の眉かく岸の額かな 守武鶯の捨子なら啼けほとゝぎす 同名のりてやそも/\こよひ秋の月 同撫子(なでしこ)や夏野のはらの落し種 同の類(たぐい)なり...
正岡子規 「古池の句の弁」
...美禄(びろく)を獲(え)てのめのめと自己のみ半生の栄耀(えいよう)を偸(ぬす)むような鹿之介幸盛であろうはずはない...
吉川英治 「黒田如水」
...この秋(とき)をむなしく逸人(いつじん)として草廬(そうろ)に閑(かん)を偸(ぬす)むをいさぎよしとせず...
吉川英治 「三国志」
...鏡の中に映る彼女のほうを偸(ぬす)み見していた...
吉川英治 「三国志」
...偸(ぬす)み聞きなどいたさいでも...
吉川英治 「私本太平記」
...おそらくここ小康(しょうこう)時代の平和をむさぼり偸(ぬす)んでいた武家権門の輩(はい)は...
吉川英治 「私本太平記」
...わけてこの戦国に閑(かん)を偸(ぬす)んで悠々風雅のみこれ事としている茶人なるものを忌(い)むこと甚だしいのです...
吉川英治 「新書太閤記」
...ちらりと春日の横顔を偸見(ぬすみみ)た...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
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