...例の外人の婦人が入ってきて扉をしめた...
海野十三 「爆薬の花籠」
...ラン子の例の踊りを所望した...
江戸川乱歩 「江川蘭子」
...なるべく例の簡易生活法をとるがいい...
大杉栄 「獄中消息」
...王党の一首領を暗殺したジェルメン・ベルトンのことを「例の政治狂の少女」と書いてあった...
大杉栄 「日本脱出記」
...例の垂仁天皇(すいにんてんのう)のお言いつけによって...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...例の会話沢山な写実的小説を書いた...
田山録弥 「明治文学の概観」
...そっと例の硝子戸に触(さわ)ってみるけれど...
近松秋江 「霜凍る宵」
...通例のフィルムではこれが惜しいように節約されている...
寺田寅彦 「映画時代」
...例の気性として頗る不満に思われ...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...主人の顔の洗い方も十年一日のごとく例の通りである...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...彼女は例の女性の一人が降りてくるのを見ながら彼に向かって横柄そのものの態度で...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...例の夫れなるべしと...
樋口一葉 「花ごもり」
...例の如く猛烈な罵詈(ばり)やら...
アルベエル・サマン Albert Samain 森林太郎訳 「クサンチス」
...谷田の奥さん例の達者なる英語にて通弁をして遣(つかわ)され...
森鴎外 「独身」
...手前例の圏(わ)をかいて...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...例の通りの尻端折に頬冠り姿でノッソリと猪口兵衛の縁端に腰をかけた...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...「来ましたぜ……例のが」「え? お蝶が」「そうらしゅうございます...
吉川英治 「江戸三国志」
...例のポルトガル服はどうしたとたずねた...
和辻哲郎 「鎖国」
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