...例の青年はこれから二...
伊波普猷 「土塊石片録」
...例の短剣を、天井から投げつけて、斎藤老人を殺し、その罪を倭文子さんに転嫁しようとたくらんだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...例の屋上演説事件でまた入れられた...
大杉栄 「獄中記」
...自分の例の十個の禍いなど...
太宰治 「人間失格」
...いくら放任主義だからって風邪――例のすぺいん風邪なんてのもあるし――を引かしたり...
谷譲次 「踊る地平線」
...井谷は例の早口で...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私は散々腹を立てて例の「馬鹿」を連発しながら口が酸(す)っぱくなる程細かく説明してやった揚句...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...河内介は例の如く石崖の下の淋(さび)しい場所へやって来て...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...「何故君は例の仕事をいつまでも初めないんだね...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...かれは例の通り膝を拍った...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...例のとおり大袈裟(おおげさ)な友情を示しながらクリストフを迎えた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...例の間違が持ち上って...
中里介山 「大菩薩峠」
...念のためにお勝手に出向いて例のおしゃべりのお角をつかまえましたが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...六時近くから「活動のロッパ」、セリフ半分も入ってないし、僕元気なくクサってたので、菊田が荒れちゃった、台本破いて、例の通り怒った、丁度来てた上森がなだめたが、今度は江戸川蘭子が役不足からゴテ出し、おさめるのに一時間かゝり、二時半迄かゝって漸く終る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...片端だけを例の至らぬ筆者が写しておくのもやましい気がしてすべてを省くことにした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...前方で例の通り、文六、団九郎がヤーヤー珍しや、をやって居る...
山中貞雄 「武蔵旅日記」
...幕外の六法は例の緞帳...
山本笑月 「明治世相百話」
...例の名馬赤兎にまたがり...
吉川英治 「三国志」
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