...時にわしの不器用なのに呆れては噴き出してしまふのである...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...そしてそれを部屋の真中にぶらさがっている不器用な針金の自在鍵(じざいかぎ)にかけながら...
有島武郎 「星座」
...蝙蝠が不器用な羽叩きをして...
薄田泣菫 「独楽園」
...又あの不器用な笑顔をつくつた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...やがて不器用な手つきで彼の掌に何やら書いたものを押しこむと...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「イオーヌィチ」
...不器用な結び方をしてあるために...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「とけない問題」
...柄(え)の短い肥後鍬を不器用な手に握ったものだ...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...不器用な私はマーキュロを妻の肌に垂らし...
外村繁 「日を愛しむ」
...その暴れっぷりの不器用ながら猛烈なることは当るべくもありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...以前はこの水田が甚だ不器用な区分で...
中里介山 「百姓弥之助の話」
...すこぶる不器用な飾(かざ)り気(け)のないものである...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...素朴(そぼく)で不器用なモイ族を怠惰(たいだ)な奴隷として...
林芙美子 「浮雲」
...ゑゝ不器用な彼んな手つきして何うなる物ぞ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...……」「不器用なくせに!」「いゝや...
牧野信一 「鱗雲」
...舌を長く突き出すように動かしながら、北の海岸に住む人の、不器用な、そのくせ口早な調子で話すのである...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
...ジャンは特別不器用な男でもなかった...
山川方夫 「ジャンの新盆」
...ひどく不器用な手振りでいながら...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...甚(はなは)だ不器用なものであった...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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