...「それを百二十七町四段二畝歩にするといくらになるか」父はなお彼の不器用な手許から眼を放さずにこう追っかけて命令した...
有島武郎 「親子」
...不器用な手つきで...
石川啄木 「天鵞絨」
...不器用なゴム印の文字であって...
海野十三 「蠅男」
...古い陶物(やきもの)の厚ぼったい不器用な味がよく出ていた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...台所で、何もせずに、ただのっそりつっ立っている姿を、私はよく見かけたものであるが、子供心にも、うすみっともなく、妙に疳(かん)にさわって、おい、お慶、日は短いのだぞ、などと大人びた、いま思っても脊筋(せすじ)の寒くなるような非道の言葉を投げつけて、それで足りずに一度はお慶をよびつけ、私の絵本の観兵式の何百人となくうようよしている兵隊、馬に乗っている者もあり、旗持っている者もあり、銃担(にな)っている者もあり、そのひとりひとりの兵隊の形を鋏(はさみ)でもって切り抜かせ、不器用なお慶は、朝から昼飯も食わず日暮頃までかかって、やっと三十人くらい、それも大将の鬚(ひげ)を片方切り落したり、銃持つ兵隊の手を、熊(くま)の手みたいに恐ろしく大きく切り抜いたり、そうしていちいち私に怒鳴られ、夏のころであった、お慶は汗かきなので、切り抜かれた兵隊たちはみんな、お慶の手の汗で、びしょびしょ濡(ぬ)れて、私は遂(つい)に癇癪(かんしゃく)をおこし、お慶を蹴(け)った...
太宰治 「黄金風景」
...その実行に当ってとかく不器用なもののようであるが...
太宰治 「不審庵」
...不器用な図体であるだけに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...いつもはその不器用な容貌の蔭に眠つてゐる不敵さ...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...それは甚だ不器用なもので...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...今日不器用な手に小石を數へつゝ...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...不器用な駈けっぷりで...
中里介山 「大菩薩峠」
...どこを歩いても不器用な音のした試しがない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「恐ろしく不器用な縫ひ方ぢやないか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...彼はいきなり立ちあがると不器用な歩き方でロッジを出て行った...
堀辰雄 「ルウベンスの偽画」
...ウラスマルは不器用な手でそれを弾かうとし初めたが...
松永延造 「アリア人の孤独」
...三田は不器用な恰好で羽子をついた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...「わたしは生れつき不器用な質(たち)でして...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...不器用な腕の中に揺りうごかしながら歩いて来るのだった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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