...古い陶物(やきもの)の厚ぼったい不器用な味がよく出ていた...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...樣といふ字のこの不器用なくづしかたに彼は見覺えがあつたのである...
太宰治 「猿面冠者」
...不器用な者でも三月もやれば覚えられるから...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...不器用な図体であるだけに...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...不器用な兄達は「また変な『安福』始めやがつた」と羨しがるのだが...
外村繁 「打出の小槌」
...不器用な手先でまたやり出した...
豊島与志雄 「或る素描」
...食った物は腹にたまっている」ガラッ八はその歓楽境を不器用な舌で語るのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...不器用な手つきで膳の上へ並べ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ゑゑ不器用なあんな手つきしてどうなる物ぞ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...ゑゝ不器用な彼んな手つきして何うなる物ぞ...
樋口一葉 「たけくらべ」
...不器用な音階を繰り返し繰り返し...
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...鳩は不器用な体付で屋根の傾斜を歩き廻つてゐたが...
北條民雄 「癩を病む青年達」
...土人の細工(さいく)物のように不器用な...
牧逸馬 「チャアリイは何処にいる」
...不器用な手つきで煙草をすゝめながら...
牧野信一 「素書」
...少し調子の脱れた職人体」のものゝほか「使ひこなし得ぬ不器用な芸風」と評している...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...ウラスマルは不器用な手でそれを弾かうとし初めたが...
松永延造 「アリア人の孤独」
...不器用なる猴は食う時戸を閉づる事を知らず...
南方熊楠 「十二支考」
...地ひびきに驚いたものとみえる、風呂場の竹窓から湯気の立っている男の半身が、「誰だっ?」「は」「盗(ぬす)ッ人(と)にしちゃあ、不器用な奴だ...
吉川英治 「松のや露八」
便利!手書き漢字入力検索