...――勿論その人はその人自身烈しい性欲を持つてゐる余り...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...大抵の人がその人自身の思想や感情を述べたものは...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...何事によらずすべて人の考へと云ふものはその人自身より他の人には何にも分らないものだと思ひます...
伊藤野枝 「従妹に」
...その人自身の家族にさえも知られていない秘密の生活を探求することが...
江戸川乱歩 「影男」
...矢張り同情するその人自身が欲する心に悩まされてゐるためではないか...
田山録弥 「谷合の碧い空」
...その人自身の苦しみやら悶えやらが多分に雑つてゐる...
田山録弥 「半日の閑話」
...その日から止めたことは結局その人自身の損失に過ぎないであろう...
寺田寅彦 「学位について」
...或は死骸の傍ら別の存在を保ちつつしかも結局何等かの意味において死骸と同一なるその人自身である(二)...
波多野精一 「時と永遠」
...その人自身がたゞその変な口語体で小説を書いたといふ事実が残つてゐるだけで...
水野葉舟 「言文一致」
...矢張(やっぱり)その人自身の過去の光景が...
水野葉舟 「テレパシー」
...それにその人自身の全勢力が集注(しゅうちゅう)して...
水野葉舟 「テレパシー」
...その人自身は最高の貴女(きじょ)と言ってよいほどのりっぱな女ではあったが...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その人自身は今の社会の空気が気に入らないで...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その人自身には捨てられない絆(ほだし)が幾つもあるものなのでございますから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...第三者が見れば君寵(くんちょう)に変わりはないと見えることもその人自身にとっては些細(ささい)な差が生じるだけでも恨めしくなるものらしいですよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その人自身に不幸のあった時とか...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その人自身そうせずにいられなかったからで...
山本周五郎 「花も刀も」
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