...今暇(いとま)をつげたお客様だという様な顔をして...
江戸川乱歩 「心理試験」
...歿(な)くなった私の父親も云うておりました、知らずに入ると何もないが、それを知って入ると、何かしらお咎(とが)めがある、強情なお客様が入って往って、帰らなかったこともあれば、迷い込んでお遊びになっておるところへゆきかかって、病(やまい)になった者もあるそうでございます、お客様、私はでたらめは申しません」「主翁(ていしゅ)、わしの腰に何があるか見てくれ、わしも天下の御連枝(ごれんし)、紀州侯(きしゅうこう)の禄(ろく)をはんでいるものじゃ、天狗や木精がいると云うて、武士が一度云いだしたことが、後(あと)へ退(ひ)かれるか、お前が恐ければ、わし一人で往く」武士は紀州から江戸の邸(やしき)へ往く路(みち)で、あまり急がなくてもいいから二三日滞在しているものであった...
田中貢太郎 「山寺の怪」
...お休みの日にママの家へお客様に行ってもいいじゃない?――ね...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「小波瀾」
...お客様だからと断ってるようでした...
豊島与志雄 「子を奪う」
...お客様かと思った...
豊島与志雄 「反抗」
...時にお客様――甚だ申し兼ねた儀でござりまするが...
中里介山 「大菩薩峠」
...老爺(おやじ)はその時、前の言葉をついで、「あれはお客様、なんでございますよ、どなたもみんな、あれを御覧になると、そうおっしゃいますんでございますが、皆さん御承知の上で、ああいうことになすったんでございますから仕方がありませんので」「エ、みんな承知の上だって? 承知の上でああして貼りつぶしちゃったのかい」「ええ、左様でございます、あの下に、机竜之助相馬宗芳というお方のお名前が、ちゃんと書いてあるんでございます」「何だって? 机竜之助……」がんりきの百は面(かお)の色を変えました...
中里介山 「大菩薩峠」
...そんなわけで――そんなわけですからお客様も...
中里介山 「大菩薩峠」
...昨夜はお客様だったってネ」「あっ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...二「お客様ですよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お客様のお望みの寸法だけ差し上げるんですヨ...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...だッて何時(いつう)かもお客様のいらッしゃる前で...
二葉亭四迷 「浮雲」
...お客様なの」次郎長...
山中貞雄 「森の石松」
...お客様じゃ」奥へ振返って呼んだが...
山本周五郎 「おもかげ抄」
...お下りのお客様からそのお噂を承りまして聊(いささ)か奇妙に存じておりましたところで……と申しますのはほかでも御座いませぬ...
夢野久作 「斬られたさに」
...お客様のお姿や服装から御家庭をお察しして...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...お客様は」「御普請の棟梁(とうりょう)どもだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...お客様でも滞在しておいでですか」「どうして」「少し……その...
吉川英治 「旗岡巡査」
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