...いずこもただ白皚々(はくがいがい)の有様に候えば老生いささか狼狽仕り...
太宰治 「花吹雪」
...聖ヨハネよいずこよりきたれるか? われはアヴェ・サルスよりきたりぬ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...戯作者の魂は忽(たちま)ちいずこからとも知れず響いて来る幽(かすか)な金棒(かなぼう)の音を聞付けた...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...われらの将来はわれらの過去を除いて何処(いずこ)に頼るべき途(みち)があろう...
永井荷風 「霊廟」
...いずこを叩いても神韻の宿ることは...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼のさまよう世界のいずこも広野原...
中里介山 「大菩薩峠」
...「いずこと知らば尋ぬる便りもあらん...
夏目漱石 「薤露行」
...倫理的渇仰の念を何所(いずこ)にか萌(きざ)さしめなければならぬものであります...
夏目漱石 「教育と文芸」
...何物かを求めて止まぬいずこにか何かを認めし其眼を見よ...
根岸正吉 「織工」
...いずこともなく逃げうせるのが特徴とされております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ともかくも妾の到る処何処(いずこ)の監獄にてもかかる事の起りしは...
福田英子 「妾の半生涯」
...」「野は何処(いずこ)も開け放しだ...
室生犀星 「野に臥す者」
...月はいずこより出でいずこに沈むや...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いずこも田や草原と変り果て...
吉川英治 「上杉謙信」
...いずこの空なりとも」「……善鬼」「はあ……」「おまえの弟弟子だ...
吉川英治 「剣の四君子」
...天師はいずこにおらるるか」「大仙は...
吉川英治 「新・水滸伝」
...「はて……? いずこへ」尋有は起き直った...
吉川英治 「親鸞」
...その財源をいずこに求むるや不明...
モウリス・ルブラン 新青年編輯局訳 「水晶の栓」
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