...蕪村の小説的構想などを前人未発のやうに賞揚するのは甚だしい片手落ちの批判である...
芥川龍之介 「芭蕉雑記」
...そんな片手落ちな成敗にへえへえと云って居られるかい...
有島武郎 「かんかん虫」
...サッパリと商品券全部を紙幣類似として禁止した方が片手落ちがなくていいものと私は思うのであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...それでそういう片手落ちの結論に導かれたのかもしれないが...
寺田寅彦 「変った話」
...だが物質的な部分だけが精神的な部分を決定・規定すると見るのは片手落ちだ...
戸坂潤 「科学論」
...だが物質的な部分だけが精神的な部分を決定・規定・すると見るのは片手落ちだ...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...何かの片手落ちや無理をして来ているのであるが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...それが許されているのは片手落ちなる強者の道徳――こんなことをわたしも...
中里介山 「大菩薩峠」
...そういう片手落ちの同情ばっかりはせぬはずだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...天のなさり方が片手落ちだ...
新美南吉 「百姓の足、坊さんの足」
...何たる片手落ちの処置ぞやなど感ぜし事も数(しばしば)なりき...
福田英子 「妾の半生涯」
...誰かその片手落ちなるに驚かざらんや...
福田英子 「妾の半生涯」
...いずれもが片手落ちになっているが...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...それよりはもっと書物を害するヤツがいるに関らず誰れもが一向その名さえ言わぬのは片手落ちというもんだ...
牧野富太郎 「植物記」
...何という間の抜けた片手落ちか……精神病の研究のために是非とも必要な精神解剖学...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...怪(け)しからん片手落ちだ...
吉川英治 「剣の四君子」
...「言いたいことがあるなら、両名とも、青州御奉行の慕蓉(ぼよう)閣下のお白洲(しらす)でいえ」「あいや」花栄は満身の怒りをこめ、「片手落ちだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...退出したという……』『片手落ちだっ』上ずった声が...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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